免疫に対しての誤解 当たり前のことなのだが.......

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「免疫」ってなんなのだろうかと勉強を始めてすぐに違和感があった。

どの医学書を見ても、「私を守る」ことが免疫の役割だと書かれているのだ。

おかしな話である。


僕は、「幸運な病」の中で、免疫を「無慈悲な壊し屋」と考えた。
そう考えないと、納得がいかないのである。

細菌を破壊し、ガンのプロセスにある「私細胞」を破壊し、ウイルスの住処となっている細胞を破壊する。
==と同時に==
アトピーを起こし、花粉症を悪化させる、膵臓を攻撃して破壊する。

後先考えないで「私」も「私以外」も壊しまくる。

生活習慣病のうち対処の手立てのない「膠原病」や「難病」は多くの場合、「炎症」を伴うのだ。
組織と組織を区分する細胞のシートがこの炎症の見つかる場所である。

そして、免疫がこの炎症(災厄)のメインプレイヤーなのだ。


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もし、免疫が私の味方だったならば、どうしてがこんなに「私」を苦しめるのだ?

ただ単純に「壊せ」というマーク(たんぱく質)のある生命を破壊するだけだと考えれば納得がいく。


例えば、ウイルスは自分を増殖させることのできる細胞に取り付くのに細胞膜に埋め込まれているたんぱく質を目印にしてDNAうを打ち込む。あたかも精子卵子を探すようにである。ミクロな生命はコロニーのことなど知っちゃいない。そう考えると、色々なことが見えてくる。



生活習慣病とは、環境(私というコロニー)に対する「ミクロな生命の」当たり前の反応なのだ。

免疫の間違えでも、誤認でもない、免疫はただルールに従って壊したり、見逃したりするのだ。


食事が変わり「私というコロニー」の中に「満ちている海」の組成が変わった。従来のマークアップができなくなているのだ。そしてそれは、免疫に取っても、破壊される(見逃される)側に取っても困ったことでも、間違えでもない。当たり前の日常なのだ。それが「生活習慣病」の原因と考えると筋が通る。

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どうしても擬人化という目で見てしまうのは「ヒト」なのだから仕方がない。
しかし、免疫系が破壊したあとで、その「ゴミ」はどうするのだろうか?


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オートファジーという考え方には驚いた。

あまり研究書も解説書も多くないのであるが、実に素晴らしいことに気がつけた。

私たちは、「老廃物」と呼んで、勝手にゴミのように扱うが、生命の部品は元素のレベルまでバラバラにされてリサイクルされる。
一回、身体のパーツとして使われたところで、廃棄されるわけではない。
身体という閉じられたコロニーからゴミとして捨てているわけではない。

考えてみれば当たり前のことである。
しかし、私たちは身体の「血液循環のモデル」を「上下水道のモデル」と同じように考えている。
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身体というコロニーに対しての「生命の入りと出」について色々と調べている。
残念ながら、どのくらいの量の出し入れがあるか試算さえ見つからない。

私たちの身体というコロニーに対しての「コロニー間のやり取り」は相当激しいはずなのだ。

呼吸で1億を超える肺胞(粘膜の部屋)には相当数の空気中の細菌が入ってくる。
瞬間的に体内に取り込まれ貪食細胞に取り込まれ破壊され、血液の中に放出される。


皮膚は常に滑落を続ける。

消化器官の粘膜は毎日消化されながら吸収され続ける。

腸肝循環のプロセスは身体の内部と外部の境界をぼんやりとにじませる。



ダイナミックな外部と内部の物質のやり取りは多くの情報をもたらす。

花粉症と皆嫌うが、花粉は様々な植物の「私というコロニー」への糸電話である。

そして免疫はその言葉を解釈しているのだ。


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僕はいつもコンピュータのネットワークのモデルを思う。
コンピュータウイルスと呼ばれる悪意あるプログラムにしても、ネット全体を知っているわけではない。
単にデバイスに入り込んで、所定の動きをするだけなのだ。
それが除去できないことがわかったら、機能として付き合っていくほかない。
コンピュータウイルスもネットワークの一部なのである。


複雑系生態学として考えると納得がいく。



面白い。




僕の嫌いなテレビ番組は「池の水を抜く」とか「外来種を排除しろ」とかいう番組だ。年老いて環境に適応できなくなったいく自分を守りたいから若くて元気な「外来種」を嫌うのだ。しかし、向こうから見れば、あの若かった父母がいつの間にか「汚いジジイ・ババア」に変わっりET として地球に来訪する。彼らにとってみれば自分が外来種なのであるのだが.......。リア王の昔から、親は邪魔になり、子に打ち取られるのだ。外来種の方が強いに決まっている。強いから力を伸ばすのだ。諦めたほうがいい。

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石坂啓さん(僕大好き) 安穏族(4)P194より 「その後のET」のラストシーン

安穏族 4 (ヤングジャンプコミックス)

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  • 発売日: 1985/06/01
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僕は一部の学者様のように「複雑系」を解き明かすことのできる解のある問題とは考えていない。再現の起こらない現実であり、解き明かしても意味のない問題なのだと考えている。お偉い「複雑系学者の描く本」では自分にわかると言っていることが多いが僕はそうは思わない。



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今は少し違った考え方があるような気がしてきている。
「私」という定義に問題がありそうなきがするのだ。
まだ思案中である。

常に変わり続ける環境(=私)にとって何が「守るべき私」なのだろうか?

受精した瞬間の私と70兆(〜37兆)もの細胞に分化したあとでの私は同一なのだろうか?


哲学的である。

医者はもっと文学を読め(笑)。