いい医者・悪い医者 ガンに関しての研究(4) 免疫療法に関する文献

がん治療は難しい。
次々と新しい知見が見つかり、昨日までの常識が最悪の結果を招いていたことがわかる。
しかし、「公務員」である医師はマニュアル通りの治療を行わないと犯罪に問われる可能性さえもある。
また、医師である信頼を利用して勝手なものを売られてはたまらない。

もう10年近くになるだろうか?自分が物忘れが多くなったことに不安に思った母は、駅のそばの歯医者で「脳に水銀が溜まっているのが痴呆症の原因」だといわれた。高額な薬を売りつけられそうになった。なんの検査もしないで、チョコッと触ったぐらいで断定されたので、流石に母も怒り、もうその医師のところへは行かなくなった。この医師はまだ開業している。憂鬱である。



「がん」は毎日数千発生しているという。

総数20兆個と言われる「赤血球」は毎秒200万個生まれるし、破壊されている。
そう考えると、全身で数千というのは(何を根拠に数えたのかわからないが)圧倒的に少ないだろう。

がんは、細胞の死の一つの形である。

そして細胞の死は積みかさなって個体「=意識」の死となる。

細胞の死は「免疫系」の働きによって葬儀が行われる。
バラバラにされて、再利用されるのである。


昨今の免疫学は、「死」を悲劇ではなく「生」を継続するという目標のためのプロセスと考えている(と言うか、僕はそう考えるほうが好きだ)。
免疫自身がそのための巧妙な仕掛けであり重要なメインプレーヤーであるという。


「自己」と「非自己」と言うのは、私達が好む言い方であるが、「擬人化の誤り」がそこには入り込んでいる。
ミクロの世界では、自己も非自己もない。
ただ、自分にとって破壊するべきだと思うものを破壊するだけである。

多くの免疫系の疾病において、「間違えた動きである」ということが多いが、それこそ大いなる勘違いである。
破壊していいというフラグが有るから、その細胞は破壊される。
問題は、そのフラグが立った時点ですでに起こっている(リュウマチや起こるべきでない炎症などを考えれば分かる)。



ガンが「治る」というと何か医療が悪者を殺したように響くが、間違いである。
本来、ガンは免疫の機能によって、破壊されるのが普通なのである。
ガンの寛解というのは、この力をとり戻すことに成功した人たちのことである。


ガンは体の機能を破壊する。そのためにある種の機能をバッサリと失うのである。
あたかも、糖尿病がインスリンの機能を失うように、四肢欠損や失明が物理的に機能を失うように今までの生き方ができなくなるのである。
しかし、高度に分化した生命にとっては、アタリマエのことである。






まさに免疫の力であろう。
そして、重要なのは何よりも食事である。





当然である。

生命のからくり (講談社現代新書)

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しかし、ここまで肥大化した「社会システムとしての医療」はどんな出口プランを持つのだろうか?





そもそも、シビアな捕食関係にある生命は、一部の機能が欠損した途端に生命を失うのが当たり前であった。
しかし、「一部の機能を失った個体を生かすこと」をヒトという種族は選択したのである。

それは、生まれたばかりの子供が自立して生きることができないことと無関係ではあるまい。




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