「宗教なき時代の政治学」(8)何もなくとも「味方半分、敵半分」、なんかありゃみんな敵 『「上沼恵美子」に対しての暴言事件』と呼ばれる現象とその反応

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2011-08-23 島田 紳助やっと辞めたか。本当はもっと悪い事隠しているのだろうな。」
2011-06-21 芸能界の既得権益者たち。」
メディアのおいては「上杉隆さんvs町山のバトル
2013-01-03 僕は上杉隆さんが好きである。」もどうぞ。



僕が労働組合の委員長で、1億3千万円の退職手当を親会社からもぎとった時のことを思い出す。もう20年が経つ。
親会社は海外にボーキサイトの鉱山を持ち、日本でニッケル(ステンレスの材料)を提供している「2つの会社の内の一社」である。


130人ほどの小さな鉄工所で80人の平社員が組合員だった。(以前は駅前に大きな溶鉱炉を持ち市の産業の中核を担っていた。
その会社では、社員は勤続年数で役職が上に上がっていく。
部長や工場長の言いなりで、現場の不満を抑えるような奴は、上の役職に行く。
組合の選挙でも、選ばれる。
やがて組合の委員長を経て課長(代理)になり課長になる頃退職になった。

僕は、父が50年その会社で(経理部長として)勤めていたのでショートカットして委員長になれた(笑)。
経営者もまさか、あんな顛末になるとは思わなかっただろう。
不思議な体験だったと今でも鮮明に思い出す。

親会社の対応に腹が立ち、僕は本気でストを打とうと思い、恐喝材料を探した。
その時、組合の副委員長の4人の誰にも相談しなかった。
もし、漏れたら、スト権の確立(組合員の総会でストは組合員の総意だと選擧する)は出来ないだろうとわかっていたからである。


同じ組合員のはずであるが、一人一人は皆違った立場にある。それは悪いことではない。
仕方がないことである。
皆人生を背負って生きている。しかし、経営者は奴隷を切り捨てるのに躊躇しない。


しかし、経営者に忖度して、自分の印象を良くして上に行きたいということを考えていると、組合は本来の役割を失ってしまう。

本来の役割とは会社自身が元気になって、良い製品を産んでいくことである。

その結果、売り上げは上がり、経営者も株主にとってもいい。給料が良くなれば優秀な社員が集まりもっと強くなる。


しかし、安い賃金で言う通りに働く奴隷が欲しいなら話は別だ。

今や世界中が、そんなもんになっちまった。

エントロピーは極大に向かう。

憂鬱である。




今回の『「上沼恵美子」に対しての暴言事件』と呼ばれる現象とその反応を見てみると面白い。

お笑いで、ネタを披露しているのが平社員
ヒラの中でももう少しで組合から抜けて、管理職の一年生になりっそうなのが暴言に注意している連中。
この連中の中でもやはり上下がある。

この記事では


ナイツ・塙宣之オール巨人、博多大吉、南海キャンディーズ山里亮太ケンドーコバヤシ
まあ、この辺までは主任クラスだろうか。


爆笑問題今田耕司
この辺は課長クラスかねえ。MCやったり、指導したりするからねえ。


記事にはないが松本人志が「不勉強と一言で切って捨てた」というのを読んだ。
まあ、部長クラスか(笑)





いつから、テレビのお笑い番組は「社員旅行宴会の、かくし芸お披露目」になったのかねえ。

取締役と取り巻きが見ている前で平社員から順に芸をする。

笑わせると給料(テレビの露出)が上がる。



部長が笑うと、みんな笑う。部長の悪口や会社の批判は勘弁されない。
笑う時は上司の顔色見てから笑う。



株主は来ない(笑)。


あーあ、そんなもの見せられて何が面白い。


あの、お笑い番組でネタ披露している時に「左下の小窓で審査員席写すの」「突然大笑いしている大物(?)写すの」は実に不愉快になる。テレビ見ている観客にまで審査員に忖度させようとしているではないか。

ほら「この人たちが笑っているくらい面白いんですよ。あなたも面白さがわかるでしょ。」と言っているのだ。
視聴者は馬鹿にされているのがわかっているだろうか。

吐き気がする。




僕らは、毎日社会の中で苦しめられている。

取引際には怒られ、上司には売り上げが足りないと言われ、上の覚えの良い同僚は出世して、楽な客の担当になり何もしなくとも売り上げが上がる。

まるで同じではないか。
そんなもの見せられて何が面白い。

一生懸命ネタ披露して、一言で面白くないとダメ出しされる。
まるで自分を見ているようだ(笑)。


問題は一つだけだ。
酔っ払ってクダ巻いてネットで喋るなんてちょっとダサい。
どうせなら生放送で、大恥掻かせるくらいのことやれれば良いのにね。

まあ、会社辞めるどころの話ではない。

殺されるかもしれない。



頑張れ、もうこうなっちまったら先はないぞ。

自分を貫け。




ちなみに、僕の娘が生まれた年に、会社が倒産してから地元で僕を雇おうなどという会社はなかった。

ネットの黎明期である。パソコン通信が終わり、インターネットの商業利用が始まり、メールで(ソースコード送ったりと)東京と仕事のやり取りができるようになって、新発田でもソフト開発が可能となってきていた。
半額の値段で3倍働いた。

ここから格安で埼玉の会社のサーバーの開発とメンテナンスで10年暮らせた。
そのあとの国体の仕事が入ってきて、今に続いている。webアプリの開発の技術を学んでいる。

いつも(今も)父と母そして妻に助けてもらった。
飛び込み営業で細かい仕事受けながら、勉強して、新しい技術を覚え、なんとか会社として成り立っている。


次の10年をソフトを作る会社経営者として生きることに決めた。


俺は、審査員席に座っているだけででかい家に住むのは、(たとえ過去に苦労したと言っても)、納得がいかない。

もう十分金稼いだろ、現役で舞台上がって自分の技でお客様の笑取れなくなったら、それなりの「住処に戻る」が良い。


誰かに踊らせてピンハネするのはやめるが良い。

お前たちの前で身を削って、観客の心掴んでいる連中がいなかったら何もできないんだよ。

その姿は、「過去の素晴らしい技の輝き」を失わせる。



工場で汗水流す職人がいなければ会社は成り立たない。



ボランティアを管理して高い給料もらうクソ野郎を見ているような不愉快さがある。



「お笑い」の本質は、権力への批判にこそある。

庶民の側に立って、苦しみ悲しむ私たちの姿を代弁してこそ、劇場に足を運ぶ観客にお金をいただける。

TVは(スポンサーの商品購入を経由するので)観客からのお金で成り立っていると感じさせにくい。

いつの間にか、スポンサーの視線で番組が作られている。権力者におもだって忖度をする。それを見ている観客も権力者の側に立っている。

やっぱ最後は私たちの中の奴隷根性が悪いという結論になる。



一発芸人と言われ、卑下される人たちを僕は愛す。

「笑の世界」の民間療法である。あんまり可笑しいと、プロが困るからステージに登らせて、(建売買えるくらいの)小金かせがして過去の人とする。

既得権益者が、何かを見つけた「自営業者を潰す」やり口である。


ああ、染之助染太郎が懐かしい。
負けるな裸で踊る人たち。服着て審査員席に座ったら今までの苦労をドブに捨てることになるのだ。


一発屋芸人列伝

一発屋芸人列伝



トリクルダウンという貧乏人騙す仮説がある。
金持ちが十分金持ちになって、奴隷に「おこぼれ」をやり始めると給料が上がるという(笑)。



自分は十分もらったから、もういらないということは難しい。
お誕生会開いて忖度する奴隷を集めて悦にいる方が気持ち良いだろう。


しかし、いつか、自分も舞台から去る日が来る。
その日のことを考えることが大事だ。
ゴーン ウイズ シットである。




「満足を知って、貪欲を戒める」これこそが宗教の役目である。



そして、「神様は何も言わなくなってから随分経つ」そうだ。
気分はもう戦争」で誰か言ってた。

気分はもう戦争 (アクション・コミックス)

気分はもう戦争 (アクション・コミックス)


ここコミックは面白い、国家に与えられるのではなく自分のために戦争に参加するのである。
「スペイン動乱」を思う。
戦場はどこにでもある。そして自分の正義を貫くことは苦しいだろうが、良い人生である。



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