Give to a gracious message a host of tongues, but let ill tidings tell themselves when they be felt.
シャーロックが以前のシーズンで出来た彼女と別れるのではないかと予感させるセリフである。
エレメンタリーに流れる縦糸はホームズと過去に出会った女性との関係である。
横糸は苦痛に満ちた現実と向き合う過程で「依存」の意味が掘り下げられていく。
ホームズは自分自身の依存と言うメフィストフェレスに導かれながら魂の深淵を見つめる。
ラストには神を称えるであろうか、己の生を呪うであろうか。
神学的で宗教的なドラマである。
最初のお話から通してみると、制作サイドでも「依存」の捉え方に様々な変遷が見える。
実に面白い。
強烈な恋愛に限らず、ありとあらゆる瞬間は「そのヒトの中でしか意味のない何か」を生む。
そして「そのヒトにしか意味のない瞬間」は一生を支配する。
それは喜びであり、苦痛でもある。
市民ケーンの中で何十年も前の一度すれ違っただけの女性の事を忘れられないと語る老人がでてくる。
この映画テーマは、大富豪が死にさいしての言葉『バラのつぼみ』が意味するものを見つけようとする物語であった。
「31年目の夫婦喧嘩」と言う映画で「夫婦の間での最高のセックスを思い出してください」とコンサルタントに言われる。
「夫婦の間での」と言う言葉を抜いて考えてみると良い。
誰にでも、抗えないザワツキが身体の中で巻き起こるだろう。
それは、小学生の頃の事かもしれないし、初夏に夏服を着た女性とすれ違った一瞬かもしれない。
やっぱ、最後はマイクロバイオームだな。
エレメンタリーは『私達が生きるということに潜んでいる、幾重にも張り巡らされた「依存」』を描いている。
自分を自分らしくするものでありながら、破滅をもたらす。
そしてやがて、私達自身と共に『消える』のである。
確かにマンネリ感はあるが、面白い。
シーズン5はどうなるかなと思ったが、十分面白い。
エレメンタリーのために仕事が進まん。
もう返さなくっちゃ。
1121946
人生は苦痛と後悔の連続である。
しかし、時に喜びがあり、いずれ皆過ぎ去っていく。
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