便秘、生まれて初めての浣腸(かんちょう)の体験。それでも出なくて中指で肛門から掻き出したこと。我が便秘人生(3)
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2016年4月20日の午前、大変なことになった。
いつものようにトイレに入ったのだが、どうも大便が出ない。
糖質制限と便秘の関係については、前に書いたのだが、いつの間にか治っていた。
それが、今日は突然来たのである。
肛門の直前に塊が停まって出そうになりながら、出ないのである。
そのうち、立ち上がると先っぽが顔を出しているような異物感がひどくなってきて、どうにもならなくなってきたのである。
トイレから離れられなくなってきた。
洗濯をしていた妻に浣腸を買ってきてもらった。こんな重症だとは思わない妻は少し呆れながら買ってきてくれた。
2本使うがまるで効果がない。
3本目を使い、このままでは、何本使ったもダメだと覚悟を決める。
右手の中指を肛門からそろそろを入れてみる。
以外と柔らかく、直腸の感触は新鮮であった。
浣腸液が指を伝う。
ええい、ここまで来たのだから、行ってしまえと覚悟が決まる。
直腸の中で指先に触る大便は、強い粘着質の油粘土のようだった。
少しづつ中指でちぎる。
浣腸液とともに小指の先ほどだけが2つ3つ出て来る。
激闘の時間だった。
なんども中指で突き刺して、直腸壁と指で先端の塊を崩していく。
意外なことに、指についた匂いは思ったようには臭くなかった。牛小屋で嗅いだ藁が牛の腸の中で発酵した匂いがした。
唐突にスルリとちょっと長めの黒い奴が出てきて流されていった。しばらくは指の匂いが気になったが、なんども洗いやっと気にならなくなってきた。
ずいぶん悩んだが、子供たちにもことの次第を話した。
僕が死んだ時、思い出に残っているのがこのエピソードだけじゃ嫌だなあ。
母が、便秘で苦しんでいたことを思い出した。指で掴んで出そうとしても出ないと言っていたなあ。
なんかおしりの穴のすぐ前にうんこがいて、苦しいと繰り返して言うのであった。
2015年の7月くらいには一回夜間救急窓口に搬送したことがある。
腹痛で死にそうだというのである。
マグミットという薬を中毒のように飲んでいた。その気持ちがよくわかった。
人は苦しみから、薬に頼るのである。
通便記録とでもいうべきメモを毎日書いていた。
やがて、僕が食事を作るようになって、毎食ヨールルトと果物を欠かさないようになる。
通便記録は必要なくなってきた。
今、父に毎食作っている。それを前にしていつも「アイコはこれが好きだったよなあ。」という。
そういえば実家のトイレに時々浣腸が置かれていたことを思い出す。
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現存する母の通便日記