我が便秘人生(7) よく効く薬が病気を生む。現実に向き合うことを不要とするが、いずれ向き合うことになる。生活のマーカーとしての便秘。

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便秘は辛いものだ。

そして検査値では計れないためになかなか「病気」と認識されにくい。
もう一つ病気と認識されにくいのは、「薬」が効かないからである。
ポンと一服飲めば「するり」と出てくる薬がないのである。精々で「飲まないよりマシ」程度である。


ちなみに僕は便秘を「病気」とは考えていない。
「治療」の始まりと終わりがあるもの。治療の終わった時点で症状が消えているものが「病気」だ。

治療をやめられないもの(II型糖尿病における高血糖に対してのインスリン)は中毒とか依存という方がふさわしい。

問題はどんな食事をすればいいのかという「知恵」を保持していた「家族」の消滅にある。
家族というのは単に経済の単位ではなく、もっと様々な恩恵と抑圧を保持してきたのである。

次の本の主題だ。







最近、webで便秘の記事をいくつか読んだ。
いずれも、「効果のある薬がなかったが、最近できてきた、医学って素晴らしい」という論調である。





昨今の薬の95%は分子標的型と呼ばれるものである。
細胞の目であり耳である「膜タンパク」に結合して、本来の機能を狂わせるのである。


確かに、効果はある。
インスリンが血糖値を下げ、ステロイドがかゆみを消す、抗鬱剤は一服で気持ちを晴れやかにする。
しかし、それは現実に向き合っている身体が悲鳴をあげているのを聞かないようにしているだけである。

「膜タンパク」が細胞外の環境を感知して、細胞の中に様々な物質を取り込む。

本来、十二指腸から分泌された「胆汁酸」を小腸下部で再吸収する。
トランスポーターという仕組みが細胞外から細胞の中に胆汁酸を取り込む。

このトランスポーターという機能をブロックするのである。


問題はいくつもある。

人のDNAは40,000種類前後のタンパク質を作る事ができる。
考えても見たら恐ろしいくらい少ない数である。
大腸菌で4000種類と言われる。たった10倍なのである。

同じタンパク質が他の部分でも重要な役割をしていないとは言えない。


他の部分で、思ってもいない働きをするのが「副作用」である。




効きすぎる薬は、本来の病を隠蔽する。

インスリンは血糖値を下げる、しかし問題は血糖値を上げるような食事にある事を確信している。


血糖値はマーカーにしか過ぎない。
決して多くの災厄は高血糖が引き起こすわけではない。

便秘もそう考えれば、生活を変える事で「現実に向き合う」以外にない。そして、現実は人によって全て違う。「誰にでも効くでも効く特効薬」はない。




誰にでも効果のある薬と言ったら、年末ジャンボくらいであろうか。









亡くなる数年前まで便秘に苦しんだ母を見て僕は知った。


とは言っても、ウンコ出ないのは辛い。
臨床の苦しみが薬を生む、患者が望む。
それ以外の道がない患者が慎重に使うならば患者にとっては福音である。
I型の糖尿病患者にとってはインスリンは命を救ってくれる。
しかし、食事に頓着しないで無分別にインスリンに頼っていたらやがて血糖値は下がらなくなる。
いつかは現実に向き合うことになる。
認知症になっていつインスリン注射したかわからなくなったら命にかかわる問題である。


他にっ道があるならば、その道を目指す事が僕の流儀である。









しかし、食事とウンコの関係は見えない。
いくら記録して注意しても、硬いウンコは突然襲ってくる(笑)。
どんな大金持ちも同じように苦しむのだろうなあ。
ゴーン ウイズ シットである。


便座で座りながら苦しんでいる時、母がなんども僕に苦しい事を訴えたこと、トイレの改修をした時に自動的に流れる便座を交換するように言い張ったこと(自分でウンコを確認したかった)、いつも思い出す。
亡くなるまで書いていた日記にもウンコの記載が見える。

年をとると、食事と厠の間で「うたた寝」をしながらが過ぎ去った毎日を夢に見ているのだろうか。

すぐに僕の現実になる。



アサヒコムより

便秘は病気、松本明子さんも克服 トイレの座り方にコツ 戸田政考2018年11月22日13時47分
便秘は病気だ。自発的な排便が週に3回未満だったり、4回の排便のうち1回以上で強くいきんだりするなど6項目のうち、二つ以上あてはまると「便秘症」と診断される。ただ、2017年にできた診療指針では便秘を「糞便(ふんべん)を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義し、これを満たさなくても生活に支障があれば治療するのが望ましいとしている。

電波少年の陰で… 松本明子さん、40年悩み続けた便秘
胃に迫る宿便なんと4キロ 松本明子さんが出し切った日
 便秘に悩む人は多い。2016年の国民生活基礎調査によると、便秘の人は女性の22人に1人、男性で50人に1人だった。女性は若いうちから多く、高齢になると男女とも増える。

 原因は様々だ。タレントの松本明子(まつもとあきこ)さん(52)は、便意を我慢するくせや、小食だったこと、ストレスで自律神経のバランスが崩れていたことが腸に負担をかけていた。横浜市立大の中島淳(なかじまあつし)主任教授(59)は「若い女性ではダイエットをきっかけに便秘になる人も多い」と話す。

 中島さんはまず、食生活やトイレの行き方から変えていくことを提案する。野菜やフルーツで食物繊維を積極的にとる。発酵食品の納豆やみそ汁もいい。朝の決まった時間にトイレに行くことや、直腸から肛門(こうもん)までをまっすぐにして便を出しやすくするよう、前かがみに座ることも大切という。

 気の持ちようも重要だ。順天堂大学医学部の小林弘幸(こばやしひろゆき)教授(58)は「毎日出る必要はない。おなかの張りや残便感など、考えるだけストレスになる。ある程度あきらめるのがポイント」と話す。マッサージもいい。肋骨(ろっこつ)の下と腰の上をぎゅっとつかみ、腸のつまりやすい部分に刺激を与え、肛門をしめながら腰をゆっくり回す。仰向けに寝て、おへそから指3本分離れた左右の場所を押すなどだ。

 改善しなければ薬を使うことも検討する。便を軟らかくする酸化マグネシウムは以前から使われてきた。腸の動きを刺激する下剤も有効だが、本来の腸の働きが弱まるため注意が必要だ。次第に量が増え、使わないと排便できなくなることもあると指摘されている。

 中島さんは「便秘を病気と思っている人は少ない。恥ずかしいからと言えない人もいる。生活の質が落ちるので、医療機関にかかってほしい」と話す。(戸田政考)

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 まつもと・あきこ 1966年、高松市生まれ。バラエティーやドラマなどで幅広く活躍。自身の便秘の体験を書いた「腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!」(アスコム)を2015年に発売した。

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