父の90歳の選挙に思う、遠くに旅立った息子への遺言のようなメール(笑)

引っ越しは大変だ。皆新しいもので揃えてあげられないですまない。
僕が悪いのだが、とにかく金がないのでよろしく頼む。姉さんにも家に住んでもらって毎月いくらか入れてもらうので助かるが、このしばらくはカツカツになる。
将来的なシュミレーションをすると2年目くらいまでになにか大きな仕事入れないと、ショートするので僕も頑張る。来年は僕も還暦だ。

家族で共に乗り越えよう。

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大学は人生のバケーションだと考える輩も多い。親に「金やコネ」があればそうかもしれない。
けど、君は「金もコネもない親の子」だ。誠に済まない、バケーションは用意できない。
奨学金という形で将来の自分に借金をして、バイトという時間の切り売りせざるを得ないだろう。
それだけのコストを掛けて学校で学ぶのだという事を忘れないでもらいたい。

一時間の授業当たり、どれだけの金額を払っているかよく考えて授業を受けてもらいたい。

昨今、大学というと、何らかの資格をとることばかり重視される。
専門学校でない「大学」という場を選んだことの意味を忘れないでもらいたい。
自分の興味の有ることを見つけて、その事に時間を費やすことを厭わないでもらいたい。
友人との交流や学業以外の知見を広げることも重要だ。
今でも尊敬できる人生を送っている大学時代の友人がいる(1人だけだが)。
もう20年以上会っていないが、昔と変わらないだろう。

僕は大学で、授業を聞いてボロボロ涙したことが有る。
中島三千男先生という方の日本史(近代)の授業だった。
市民の目から見て、「天皇制」を批判的(駄目というのではない)に検証するものだった。
合祀裁判の判例に関しての講義だった。自衛隊員の夫を失って国家による合祀を体験した普通の主婦の物語だった。
「自分を尊重してもらいたいから他人を尊重する」学問とは他者を理解するハートなのだと教えてもらったような気がする。

文化人類学は和崎春日先生の授業が忘れられない。それまで、アチラコチラで聞きかじった知識を体系的にまとめることを学んだ。
先生の同じ授業を2年連続して受講した。単位を落としたわけではない(笑)。今でも学んだ視点は役に立っている。
夏休みのフィールドワークのレポートで、母方の祖母(母の母)にインタビューしたテープがあったから今の考え方にたどり着いた。
君の誕生日にプレゼントした「言語を生み出す本能」のピンガーさんは文化人類学の視点を重視している。

網野善彦先生」という方と大学で一回だけすれ違った事がある(当時、先生の研究所があった)。
大変著名な歴史学者だ。先生の全集を鉄工場の工員の時期に全巻買った。
例の「逆さ地図」の事を僕は彼の本で知った。2枚買った。君と麻菜の分だ。
いらないかもしれないが、荷物の中に入れて送る。
機会があったら彼の本を読んでみるといい。
講談社から出ている「日本の歴史」という彼の監修した全集の00巻『「日本」とは何か』網野善彦著 がオススメだ。
図書館に有ると良いね。

学び考えるのは、4年で、終わる訳ではない。

大学で得たものは、単に自分のキャリア(就職や生涯の給料)に反映させるだけではなく、社会全体に役に立ててもらいたい。
夢のような望みだが、願わなければ夢は実現しない。




とにかく、4年後に君が直面する現実はくそったれっだ。実力より、コネが物を言う忖度の社会なんだ。それでも何か他の人にないものをもっていなければ話にならない。

「金やコネのある親」の子は就職前の会社訪問でも部長格の連中とフリーパスで会える。
サークルの先輩の覚えが良ければ人事に推薦してもらえる。
(国家試験が必要な)特定の業種なのに、親がその職についていると子供もなれるという不思議な社会だ。
小さな企業でも、親が社長なら子供もスイスイ、社用車で通勤する(何故かベンツや高級外車だ)。
その金は社員の給料を削ったり、海外生産拠点で外国人を雇って得た金だ。

けどね、そういう連中を嫌っても、羨ましがっても仕方がない。
コネで人生を生きる連中は、忖度しながら生きていかなければならない。安定して高級をもらえる「奴隷」だ。
それも悪くないが、辛い仕事をさせられる。
同僚の首切ったり密告したり違法でない犯罪行為(道義的犯罪)させられたり、盛りだくさんだ。
そのために高給もらっているのだからね。そして生活が有るから抜けられない。

もっと強いコネが来たら追い出されるし、国会で吊るし上げられても、「コネ元」を守らなければならない。
そうしなければ家族が危ない。家族を人質にされるのは映画だけの話ではない。

僕は、自由に見えるだろが、「安定していなくて高給でない」。これもまたつらい。
「安心」して人生を生きていきたい。それはどこにも売っていない。


世界は不公平だ、しかし、人はみな、孤独の中に死ぬ。












自分自身を超えたもっと大きなものが世界には有るのだと信じたい。
母が亡くなって、写経を知った、宗教の意味を感じられたのは自分でもびっくりした体験だ。
母と共に苦しんで生きた最後の一年、そして母の死が僕に生の意味を教えてくれた。
母が亡くなる前の数ヶ月の体験を僕は忘れない。
苦しみから救われたし、クソ野郎たちから父を守ることが出来た。
皆(君や家族からも)には「気が狂っている」と思われたが...。


僕には社会が多くの問題を抱えているように見える。
それは、宗教を失った私達の問題だと思う。次の本の主題だ。
教祖になりたいとは思わないが、「生や死」を超えた「なにか」があるということを伝えたい。


僕の書いた本を1冊荷物の中に潜り込ませた。
P63に大学時代の恩師の(卒業文集に頂いた)言葉を引用させていただいた。
その「ことは」を君に送りたい。







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今日、父と妻と3人で選挙に行ってきた。
父が寝ている部屋に、玄関から「30分したら選挙に行こう」と声をかけた。
少しあとで、また起こしに行くつもりだったのだが、パジャマを洋服に着替えて家までトコトコ歩いてきた。
しっかりとした足取りで投票をしてきた。

小さい頃、父母はいつも選挙に連れて行って投票所の外で遊んでいた思い出がある。
今は立派なコンサートなどをするホールの所に建っていた、小さな公民館が投票所だった。社会全体が平等に貧しかった。
選挙の存在しない時代が戦争を生んだ。父はそんな時代を知っている数少ない生き残りだ。
そして選挙の有る時代でありながらまた戦争が始まろうとしている。

母は、尋常小学校の卒業だった。一番下の弟が生まれて祖母が肋骨カリウス(結核)で子守をしなければならなかったからだ。
婚約まで行きながら学歴がないことを理由に破棄された事をなくなる5年くらい前に聞いた。
父は高卒で予科練に行き、特攻隊の息の頃だ。学歴は高卒で、鉄工所のトロッコ押しが社会生活の第一歩。
事務所に入れたが、いくら頑張っても上の役職につけなくて(後輩の大卒が追い越していった)給料は安い。
経理だったからよく分かる。何度も転職を考えた。僕には一言もそんな事を言ったことはないが、本を読むことのない父の本棚には転職の手引書があり、経理職の専門学校の資格の証明書を見つけた。けど、自分の家族や実家のために転職はしないで生きた。

40年前、「新発田なんかに帰ってくるな」と言って僕に人生をくれた。




戦争という大きな苦しみが父母の時代にはあった。
その事を忘れないでもらいたい。

3月27日の父との会食は嬉しかった。僕にとっても最高の贈り物だった。ありがとう。
写真を一緒に送る。父の嬉しそうな顔は僕の宝物だ。
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君は僕と妻の子供で、僕は父と母の子供だ。
しかし、僕も妻も汚い年寄りになっていく。君の中の「僕と妻の姿」とは似ても似つかない姿になっていく。
何年か後にまた出会うことも有るだろうが、その時は別人同士だ。

18年間の友情を込めてお別れを言う。


そしてこれからもっと大事な人達と出会っていくだろう。
世界に向き合って行く仲間を見つけることだろう。
一人では、出来ないことも誰かと一緒ならできることも有る(と信じたい)。
そんな仲間を見つけることが出来ると良いね。



なにがあっても、僕にはもう助けることは出来ない。

僕はなにも君を「心配」していないし、「不安」でも無い。
それは人生では何の役にも立たない。


けど、困ったことがあったら相談してくれ。
出来る範囲で力になる。冬のお日様のように照らすことが出来るかもしれないが雪を溶かすことは出来ない。




そして、僕もまだ諦めたわけではないのでこれからも頑張っていく。








人生で学んだことがある。


常にあらゆる可能性を考えて、シュミレーションを重ね、プランBを忘れないことだ。
世界は思うようにはならない。

Always Have an Escape Plan


そして嘘をつかないこと。自分にも他人にも嘘はいけない。きっと後悔する。

It's a sin to tel a lie


なんか遺言みたいなメールになったなあ。
まあ、そのつもりで読んでくれ。





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