いろいろな本の事

今日の結論から先に書く
謙虚に自己を反省して、疑い続ける事こそが「科学」だ。



僕は本を読むのが大好き、今回の糖質制限に於いても、沢山本を集めた。

なんといっても「江部先生」が面白いのである。シーズン1の時にかなり本を買ったけど、皆どこかに行ってしまっていた。こういう時は大体誰かに貸しているのである。一気に帰ってくることが多いのでどうするべえ。

びっくりしたのが、以前やけどした時にお世話になった「うるおい療法」の」夏井睦さんとの共著があった。

そこから、夏井先生の本を買ってみたら、面白い。
その軽くて楽しい文章を読んでいくといつの間にか「糖尿病がなぜ存在するのか」という本質的な問題に行き着いていく。
夏井先生は、生命の進化(多様な環境への適応)を長く考えていらしゃった方なので、こういう切り口が出来るのだろう。




『医学(パラダイム)を盲目的に信じてはいけないよ』とお二人は言っている。
病を治すのは自分自身で、「専門家」ではないのだよと語っている。
やけどの治療は、外科医にとって儲けの種だということである。

皮膚移植ではなく、「うるおい療法」が効くということが常識になることが彼ら専門家には(経営的に)許せないというのである。
江部先生のクリニックの患者が3倍に増えたというのは面白かった。



夏井先生のこちらの本は別な意味で面白かった。

炭水化物を作る植物はヒトを媒介にして世界中に広まったと言う考え方には賛成である。
昔SFで(名前は失念したが、ダリアの芋がもし人間にとって美味しいものだったら世界中に広がるだろう)植物は動物を操っていると言う物があった。
それを思い出した。今度探してみよう。
また、なぜ「脳」がブドウ糖とケトン体しか使えないのかということに関してきちんと説明されているのも嬉しかった。
血液脳関門」「血液神経関門」と言う仕組みに関して書いてあるのが嬉しかった。
そしてそこから先が面白い。
生命の進化(多様な環境への適応)において、血糖値というものがどういう役割をしているのかの仮説が面白い。
ナマケモノ」「鳥」「ネズミ」「カエル」どの生き物が一番血糖値が低いかその理由とともに思索されている。



随分昔(2009年)に「迷惑な進化」と言う本を紹介している。
ここでは、糖尿病についての面白い学説を展開している。
進化医学的な観点から見るのも面白いものである。






インシュリンの発見」と言う本を読んだ。
1920年前後にインシュリンが発見された頃の事を緻密な取材と論考で組み立てている本であった。
面白かったのは『特効薬』が医学から「患者と共に生きる心」を忘れさせたというのである。

確かに、特効薬がない時代の医学は患者が死ぬのを見守っているだけのものだった。
結核、糖尿病(1型)ペニシリン以前の銃槍、などの発見と医学への応用が医師を「薬を提供する専門家」としたというのである。

昔、「外科の夜明け」という医学史の本を読んだことがある。その本では医学の勝利を描いているだけで、「インシュリンの発見」の様に陰の部分を描いていないことが残念だったなあ。








日本糖尿病学会は「糖質制限」バッシングするのに必死だ。
しかしながら、牧田 善二という『糖尿病専門医』を自称する医者は好意的な内容の本を書いている。
しかし、その本は、実に不愉快であった。
「お前ら患者は馬鹿だから専門医の言うことを守ってりゃいいんだ」と言う臭いがプンプンする。
僕が今回のシーズン2を始める切っ掛けになった医者の対応を同じ臭がする。


『糖尿病専門医にまかせなさい (文春文庫)』、『糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい (講談社+α新書) 』 の2冊を読んだ。「恐怖を植え付けるのが医学」と勘違いしている。

治療にはリスクがあることを「医師・患者」共に十分理解して、治療の方針を立てる。
無論「治療方針」にもリスクは有るのだからそれも適切に伝えなければならない。
当たり雨のことだが、自分自身の行為(治療)に対しての「懐疑」を持たなければ進歩はないのである。
この医師たちの嫌なところは、自分自身を正しいと信じているところである。

僕は最初に糖尿病の治療を止めようと思った時に医師にこう聞いいた。
この薬は『糖尿病を直す薬なのか』と、血糖降下剤はランゲルハンス島を刺激するだけだから、いずれ、インシュリン注射になることを何かで読んだからである。
治す薬でないことを知った時に内科での治療を止めることにした。
もう一度ダイエットをしようと思いながらも、うまくいかなかった。
そしてシーズン1を始めたが、頓挫、シーズン2はまだ続いている。


僕は常に思う、「正しさ」は相対的なもので、まさに人の数だけある。
どんな生活が、食事が、「正しい」かなどということは、自分自身が決めなければならない。
医師はその助けをするだけである。
医療は数値をみて薬の量を決めるようではならない。


僕の仕事はソフトウエアの開発なのだが、お客様を見て、「困った」を共有して、共に解決策を探す。
多くのソフト会社は、お客さんお言うとおりにソフトを作る。
僕は蕎麦屋の出前だと馬鹿にする。
その会社ごとに皆困ったは違うし、お客さんに見えていない問題点を自覚してもらうことが「解決」なのだ。
そこには、「仮説」->「対策」->「検証」の繰り返しがある。
そして、自己血糖値診断は「アジャイル的」である。


自分たち「専門家」と言われる連中がこれだけ「糖尿病」を蔓延させてきたことがわからないのだろうか?
自分のクリニックの経営という観点から見たら江部先生と同じかもしれないが、気に入らない。
細菌の著作では糖質制限を推進する派閥に入るだろう。
しかしながら、その本質は『権威的』であり、傲慢である。
あたしゃ気に入らないよ(ドーラばあさんの声で.....)。


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