破壊する創造者 この本は面白いから皆買おう、読もう。

 

破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた

破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた

この本をゆっくりと読みたくて、今年の花見に持っていった。

2012年2月20日に買ったのだが、何度か読み返している。

2001年人のゲノムが解読された。
その結果、多くの遺伝子が生命の中で共通であることが判明したのである。
遺伝子が共通であることがどういう意味のあることかを考察しているのである。

P20から引用

ヒトのゲノムが解読せれれば、それによって、人間がいかに他の生物と違っているかが明確になるはずだった.....残念ながら、他の生物にない人間だけの特徴、と言うのはさほど多くなかった......
まず驚きだったのは「ヒトのゲノムのサイズの小ささ」である。
ヒトのゲノムに存在する遺伝子の数は二万にすぎない。人間という生命の複雑さからして十万個かそれ以上あるだろうと予測されていたのだが、その予想をはるかに下回った。他の生物に比べても、この数は細菌のわずか十倍ほどに過ぎず、ショウジョウバエや線虫にともさほど変わらないのだ。
少なくとも、ゲノムに保持される情報量から見れば、そういう「下等な」生物に比べて人間が際立って複雑ということはない.....
さらに、ヒトのゲノムの解析からわかったことは私たち人間の遺伝子は、多くの部分が地球上の他の無数の生命と共通しているということである。
例えば人間の遺伝子のうち、2758個がショウジョウバエと共通で2031個が線虫と共通している。........
生まれたばかりの地球の過酷な環境にいきていた原始的な生物たちがどう進化して、現在のような多様な生命が生まれたのか、今、私達が目にしている青く、美しく、豊かな地球はどのようにしてできたのか、それを知ることが出来る


人は特別な生き物ではない。
自分が貶められたように感じる人間もいるだろうけど、僕は感動する。


前から、風邪に薬はいらないと思っていたのだが、この本はまさに科学的にそれを論じている。

ウイルスというのは、生命にとって重要な役割をしているということを書いている。
薬を売りたい医者や製薬会社にとっては困った本であろう。


ウイルスとその宿主は「共生関係」にあるのではないかという仮説を検証している。

近縁種にウイルスが入り込むと強烈な害を与える事が不思議だった。
この本の中では「宿主にとって利益になること」だからウイルスはそう振る舞うのだという。
猿にとって無害なエボラが人にとっては致命的な振る舞いをする事は、猿の天敵のヒトをウイルスが殺そうとするからなのだ。

ウイルスは宿主の中でしか生きれないから、宿主を殺さないというテーゼは正しいと思う。

ウイルスは生命を進化させる大事な仕組みなのだということを論じている。

エイズに関しての大変面白い考察がなされている。

『自己と他者』とは何かと言うというに対しても、とても面白い答えを用意している。

先に紹介した大野乾さんは「なぜ、ウイルスはわざわざその生命でないと分かるように自己を作るのか」という事を論じている。
ウイルスは、人の免疫系を騙す葉に進化することもできたはずなのに、なぜそれが起こらなかったのか書いている。
面白い。

種を超えて感染するウイルスの存在は、地球の生命が皆つながっていることを証明している。


ヒトが特別な生命であるというような考え方は間違えている。
インフルエンザはヒトにとって敵であり、「無用」なものであるという考え方は『奢り』なのだ。



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最近、鳥インフルエンザで大騒ぎをしているが、ばかみたいである。
まるで、最近初めて起こった現象のように書いているが、そんなことはない。
ヒトとウイルスはともに進化している。
同じようなことは何度も起こっている。


スペイン風邪やペストを例に出すが、社会的な衛生観念などの変化を考慮に入れていない。

2008年当時は大騒ぎして、無駄な金使って大儲けした連中はまた狙っているのだろうな。

中国での猛威の鳥インフル 日本発生なら死者64万人の予測 2013.04.13

アホらしい記事なので引用などしたくないが、2008年に大外れしたことなのだ。

.......

厚労省は2008年、日本で強毒性の新型インフルエンザが発生したときのシミュレーションを発表している。それによると、人口の4分の1である3200万人が感染し、200万人が入院。死者は最大で64万人に達するという。
 これは決して大げさな数字ではない。過去のパンデミックでいえば、1918年に世界中で大流行したスペイン風邪鳥インフルエンザ10+ 件から変異したもので、このときはなんと世界で6億人が感染し、死者は5000万人に達している。
......

無論、生半可な知識で操作されて、ウイルスや細菌が生物兵器として使われる場合は別である。
僕はそちらのほうが恐ろしい。

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