幸運な病のレシピ( 2719 ):ロールキャベツ、イシモチ下ごしらえ、アコウダイ焼き

【2021年9月24日】ロールキャベツは秋の始まり。うちではおでんお出しを使う。豚の挽肉と玉ねぎを握ってキャベツで包むだけである。昔は肉の種類を混ぜたり牛肉でまいたり、色々としたが、単純な方がいいようである。手をかけて気がついてもらえなかったり、低評価だと悲しい。表情にでてしまうと、妻も黙り込むようになり、適切な料理の評価が得られない。「レストランポイポイ」を狙うのは毎日の料理には好ましくない。キンメダイかと思っていたが、アコウダイであった。とても上品な魚だが、油が強いので時間が経つと「生がえる(水分が飛んで生臭くなる)」。醤油を焼いたところに垂らすのがぼくは好きだ。魚は焼き立てが一番いいので、娘の分は後から焼けばよかった。一匹残った。リガトーニは好評であった。昼のものが一人前残しておいたのを皆食べてもらえた。

季節によって喜んで食べてもらえるもの変わる。年をとれば好む食べ物も変わる。作る側も、見方が変わる。食材の選び方も変わり、常に厨房は変化が起こっている。それは身体の内側の変化でもある。そしてその変化を感じ取り作り方を変える。『美味しさ』というのは、医者が治療の基準とする「検査値」などよりも遥かに素晴らしい指針である。何を食べ、何を残すか?いつも注意深く見つめながら毎日の料理を作る。

時折、母が調理のコツを話していたことを思い出す。やがて80歳を超えて何も作れなくなり、米を炊いて取り寄せた佃煮を美味しいと言って食べるようになり、毎日のように医者に行き何種類もの薬を飲み始めていった。考えると、心穏やかにはいれない。いつか自分の行く道である。ごめんね母さん。


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#アコウダイ #ロールキャベツ #美味しさの栄養学