「ちはやふる」に見えるいじめの研究
「ちはやふる」の1〜2巻は運命の糸に結ばれた主人公3人の出会いを描いている。
福井から転校して来たカルタの上手な子供が学校でいじめられる。
その子に興味をもった女の子(千早)が彼の中に有る「情熱」を見つける。
いじめる男の子は母の絶対的な支配の家庭で育っている。
やがてこの三人は「情熱」に結びつけられて家族の様な結びつきを見つける。
この3人と言うのは「男2人+女1人」という「冒険者たち」パターンなのだ。
男の間にもホモセクシアル的な感情がありながら、微妙な三角関係になる。
もっと巻が進むと多重的な主題が描かれて、沢山のキャラクターが生き生きと描かれる。
まさに、数コマだけの登場人物も深く描かれている。
このような力量のある作家の作品と出会えて嬉しいものだ。
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今の時代は「情熱」をもちにくい時代である。
情熱を持つ子供は「ハブ」されて、一人でいる他無い。
ハブに動じないとハブしている側は積極的に子どもをいじめる。
いじめは「情熱」を見つけさせられない無気力な子供達の一つの反応だ。
千早ちゃんが見つけた『情熱』はそんな中で回りの人たちを巻き込んで行く。
優れた文学と言うのは自分自身に投影してくれる。
そして、自分の人生を変える力を持つ。
僕は情熱をもち続けているのかなあ。
マナもマサヒトも情熱を見つける事が出来るのかなあ。
泣いてしまった。
同じ様な構造の漫画として、「しゃにむにGO」なんかを思い出した。
あれも3人の物語だよね。
作者の人はきっとこの「冒険者たち」が大好きなんだろうなあ。
しかし、「冒険者たち」思い出したなあ、あれも良い映画だ。
やはり、情熱を描いている。
夢を見れなくなると人は死んでしまうのだ。
少なくとも、精神的には生きているとは言えない。
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「ちはやふる」を、「ちはやぶる」と書いていたのだった事に気がついた。すみませんです。直しました。