ハチワンダイバー(1)スガタボーイの冒険

ハチワンダイバー 28 (ヤングジャンプコミックス)

ハチワンダイバー 28 (ヤングジャンプコミックス)

ハチワンダイバーの主人公は「菅田健太郎奨励会で三段までは行ったが、四段(プロ)に成れなかった。

将棋の世界では年齢制限がある。
毎年多くの才能ある子どもが奨励会に入り、去って行く。
彼もその一人である、そして去って行く。

残念ながら将棋の世界で純粋培養された子どもは「将棋」しか出来ない。
奨励会崩れと呼ばれアマチュアに対しては神のように強い。
将棋道場で、金をかけて将棋を指す仕事をはじめる(真剣師という)。
一旦は最強の真剣師と錯覚するが自分より強い真剣師(この物語のヒロイン)と出会う。
彼女は彼の才能を見抜き様々な真剣師との出会いを与える。

その後、彼女(と幾人かの真剣師)の鬼将会と言う真剣師集団の因縁を知る
鬼将会はヤクザの代打をする。大金が動き、負けた時は命までも失う。
そんな世界で、鬼将会はヤクザの組織さえも避けて通る集団になっていた。

鬼将会との戦いに突入である。


菅田健太郎は、才能は有るが人生を真剣に生きることを知らなかった青年であった。

その彼が、人生は戦いであることを知って行く物語なのである。

この物語に繰り返し現れる主題である。

僕は、最初に入った会社を半年で首になった。
恐るべき幸運で入社出来たチャンスを失い、自分の価値を見失ってしまっていた。
まじめに仕事に向い合わなかった。
つまらない仕事は、いい加減にして、まあ、こんなもんだろうと思っていた。
失敗しても反省も無く、自分がその世界で一番にならねばならないと言う気迫がなかった。
その事を思い出す。

ここで良いと思った所で、人は成長が止まる。


幾度もの戦いをへて成長した彼は自分の師匠と戦う事になる。

過去の自分に語りかける、「これから戦うのはまぎれもなく君なんだ」と。

あの頃の自分になかった物を見つけ出した今の自分を誇りに思いながら戦いに臨むすがたは、素晴らしい。

僕はその号をコンビニで呼んで涙が止まらなくなった。
人生は学校を出てから学ぶ事が多い。
普通の人には、学べるチャンスは多くはない。転職を繰り返しながら前に進んでこれた自分を僕は幸運と思う。

師匠は、彼と対峙して「人が一回死んで生き返るとはこの事か」「かつてのスガタボーイ(菅田青年)はここにいない」と思う。

ここも涙である。

参った。


早く28巻出ないかなあ。




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