ともに被曝する

京都の市民の感情も分る。
原発放射能福島県にしか広がらないと考えたいのも分る。

しかし、間違えている。

放射能を発する多くの種類の元素は、原発を中心として拡散し続ける。

海に放出された元素は世界に循環する。魚の体に取り込まれ、食卓にのぼる。
ガス状になり、風に舞い、動物に取り込まれ、拡散を続ける。

例えば、事故が起こったその時に被曝した人が避難先でウンコすればそこには含まれている。
自動車で通過すれば、自動車の中に入り込んで拡散する。

除染などと言っているが、『囲い込みと拡散』でしかない。
放射能は消す事は出来ないのだ。
植物に取り込ませたとしても、その取り込んだ植物を隔離しておかなかれば元も子もない。


放射能の無い環境はもう無い。

日本で生きる限り、茶や牛だけでなく、米にも、水にも、空気にも含まれて行く。
それを避ける事は出来ない。

クリーンでいようとする事は、無理なのだ。



拡散されて広がった放射能はまた集積する。
下水処理場、風のたまり場、水のよどみ、そして食物の連鎖。

何をどう注意しても僕らは被曝し続ける。

京都に松を運んだトラックにも運転手にも、放射能を発している元素は含まれている。
新潟に避難して来た人たちも放射能を発する元素を運んで来る。


そう言う人たちを汚染されたものとして扱うのは間違えている。

どちらにしても、遅かれ早かれ僕らも同じ状態になるのだ。

何をどうしようと、共に被曝する事になる事を受け入れよう。

これは、優しさでも諦めでもない、同じ病にかかった人間の共感だ。
僕たち以降の世代は長く癌の発生率が高くなる。

そして忘れないでいよう。原子力発電と言う『金のなる木』でうるおった連中の事を。

嘘をつき続けてここまで事態を悪化させた電力会社、天下り先を無くしたくない官僚、原発燃料を作る事で利益を上げている会社、膨大な金額の広告宣伝費(そもそも電気代)を失いたくないマスコミ。

法律で独占を約束されている企業の広報費、宣伝費は法律で禁止しなければならない。

ガイガーカウンターでは出ていないから大丈夫などと考えてはいけない。
どこに有るのか分らないのだ。





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