裏切りのサーカスを借りた

 

裏切りのサーカス コレクターズ・エディション [DVD]

裏切りのサーカス コレクターズ・エディション [DVD]

面白かった。
憂鬱な時代の物語である。

アンとスマイリーの関係も面白い。

このページに解説があり、良くわかった。

池で泳いでいる所がなんか分からなかったのだけど、納得である。


ジョン・ル・カレは「武器の道」くらいしか読んでいないけど、面白い物語だった。
あ、エリック・アンブラーだった。
何とも、昔の話だなあ。




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ハチワンダイバー29

 

昨日買った。


僕はハチワンダイバーの、神話性について常々考えている。

主人公の成長がある物語は素晴らしい。

人の人生の原動力って、過去に負けた自分を見つめられるかなのだと思う。

僕らは何に負け、何に勝つのだろうか。

この巻でも強く感じた。




前から、ハチワンダイバーの元になる棋譜が知りたいなあと思っていたが、この人のページにあった。
素晴らしい!!!!


ああ、将棋したいなあ。


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言語を生み出す本能 mixiから引越し 2006年09月01日 10:43

 

言語を生みだす本能(上) (NHKブックス)

言語を生みだす本能(上) (NHKブックス)

2006年にレビューを書いていたが、色々な本で彼の著作は引用されている事に驚いた。

『子育ての大誤解—子どもの性格を決定するものは何か』「ザ・カルチャークラッシュ」
これ以外にも最近では進化学系の本で見ることが多い。


20世紀の哲学を本質的に変えたのは「構造主義」的な考え方であると言える。
神という仮説から脱することがこの時代の役割だったような気がする。

そして、ヒトゲノムの解析は戦いにピリオドを打った。

人間は、特別な存在ではないのだ。

それでも、人は言語を持っているから、他の生き物とは違うと言うことを言う人は多い。
ピンカーさんの著作は、そういう考え方を意味が無いものとする。
言語というものはさほど特別なものではないのである。
確かに、ヒトという種を他の生き物との環境に適応するための競争においては有利に働いたのかもしれないが、ただそれだけである。


この事は、も少し考えたい。僕の大好物の世界である。



####### 以下引越し内容 #################################

教育は万能ではない。そして、遺伝も悪い物ではない、人生をあきらめないならば。

そもそも、人間の持っている言語能力の起源(生得か学習か)に関しては長い議論と考察が有った。
残念ながら、決定的な結論を出すに足るだけの科学的な材料はなかった。現在の研究はその問題に結論出すに足るだけの物となっている。

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何らかの能力が「生得であるのか?」「学習で得るのか?」と言う議論は難しい。
この本の中で彼は実に明確に一般の人が持っている誤解を解いて行く。

チョムスキーと言う言語学界の巨人が作りだした考え方をピンカーさんは実に巧みに使って多くの問題を解決している。

そして、大事な所はその先である。スティーブン・ピンカーさんには人間に対しての絶対的な信頼があるのだ。

彼の学問のバックボーンには差別や多くの不幸を生む社会的な仕組みや運動に対してのプロテスト(異議申し立て)が感じられる。

とても良い事だ。人が外見、性別、人種、金銭的な豊かさなどで判断されるのではなく、その内面によって評価され、ともに生きて行ける社会が出来る事を夢見ている事が分かる。

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ピンカーさんの本はこれ以外にも何冊か訳出されているが、この本が一番好きかなあ〜。

そうそう、スティーブン・ピンカーさんはジュディスリッチハウスさんの「子育ての大誤算」の中に推薦文を書いている。

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>>>>言語を生み出す本能 下巻 p294より<<<<<

同じ言語を話さないというのは、意思疎通が出来ないという意味で使われる表現だが、心理言語学者から見れば、それは表面的な違いに過ぎない個人を越え、文化を越えて普遍的かつ複雑な言語が存在し、単一の心的メカニズムがそれをささえていると確信している私にとっては、どんな発話も,たとえ一語も理解出来なくてさえ異質な物とは思えない。外の世界と始めてであったニューギニア高知人たちがそのとき撮影されたフィルムの中で交わすやり取り、手話通訳の手の動き、東京の遊園地で見た幼い子のおしゃべりーーー私にはそれらの底にある構図が見える様な気がする。そして私たちが皆同じ心を持っている事を実感する。

言語を生み出す本能(上/下)
スティーブン・ピンカー
椋田直子
NHKブックス 1995/6/25 − 2000/2/10

破壊する創造者 この本は面白いから皆買おう、読もう。

 

破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた

破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた

この本をゆっくりと読みたくて、今年の花見に持っていった。

2012年2月20日に買ったのだが、何度か読み返している。

2001年人のゲノムが解読された。
その結果、多くの遺伝子が生命の中で共通であることが判明したのである。
遺伝子が共通であることがどういう意味のあることかを考察しているのである。

P20から引用

ヒトのゲノムが解読せれれば、それによって、人間がいかに他の生物と違っているかが明確になるはずだった.....残念ながら、他の生物にない人間だけの特徴、と言うのはさほど多くなかった......
まず驚きだったのは「ヒトのゲノムのサイズの小ささ」である。
ヒトのゲノムに存在する遺伝子の数は二万にすぎない。人間という生命の複雑さからして十万個かそれ以上あるだろうと予測されていたのだが、その予想をはるかに下回った。他の生物に比べても、この数は細菌のわずか十倍ほどに過ぎず、ショウジョウバエや線虫にともさほど変わらないのだ。
少なくとも、ゲノムに保持される情報量から見れば、そういう「下等な」生物に比べて人間が際立って複雑ということはない.....
さらに、ヒトのゲノムの解析からわかったことは私たち人間の遺伝子は、多くの部分が地球上の他の無数の生命と共通しているということである。
例えば人間の遺伝子のうち、2758個がショウジョウバエと共通で2031個が線虫と共通している。........
生まれたばかりの地球の過酷な環境にいきていた原始的な生物たちがどう進化して、現在のような多様な生命が生まれたのか、今、私達が目にしている青く、美しく、豊かな地球はどのようにしてできたのか、それを知ることが出来る


人は特別な生き物ではない。
自分が貶められたように感じる人間もいるだろうけど、僕は感動する。


前から、風邪に薬はいらないと思っていたのだが、この本はまさに科学的にそれを論じている。

ウイルスというのは、生命にとって重要な役割をしているということを書いている。
薬を売りたい医者や製薬会社にとっては困った本であろう。


ウイルスとその宿主は「共生関係」にあるのではないかという仮説を検証している。

近縁種にウイルスが入り込むと強烈な害を与える事が不思議だった。
この本の中では「宿主にとって利益になること」だからウイルスはそう振る舞うのだという。
猿にとって無害なエボラが人にとっては致命的な振る舞いをする事は、猿の天敵のヒトをウイルスが殺そうとするからなのだ。

ウイルスは宿主の中でしか生きれないから、宿主を殺さないというテーゼは正しいと思う。

ウイルスは生命を進化させる大事な仕組みなのだということを論じている。

エイズに関しての大変面白い考察がなされている。

『自己と他者』とは何かと言うというに対しても、とても面白い答えを用意している。

先に紹介した大野乾さんは「なぜ、ウイルスはわざわざその生命でないと分かるように自己を作るのか」という事を論じている。
ウイルスは、人の免疫系を騙す葉に進化することもできたはずなのに、なぜそれが起こらなかったのか書いている。
面白い。

種を超えて感染するウイルスの存在は、地球の生命が皆つながっていることを証明している。


ヒトが特別な生命であるというような考え方は間違えている。
インフルエンザはヒトにとって敵であり、「無用」なものであるという考え方は『奢り』なのだ。



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最近、鳥インフルエンザで大騒ぎをしているが、ばかみたいである。
まるで、最近初めて起こった現象のように書いているが、そんなことはない。
ヒトとウイルスはともに進化している。
同じようなことは何度も起こっている。


スペイン風邪やペストを例に出すが、社会的な衛生観念などの変化を考慮に入れていない。

2008年当時は大騒ぎして、無駄な金使って大儲けした連中はまた狙っているのだろうな。

中国での猛威の鳥インフル 日本発生なら死者64万人の予測 2013.04.13

アホらしい記事なので引用などしたくないが、2008年に大外れしたことなのだ。

.......

厚労省は2008年、日本で強毒性の新型インフルエンザが発生したときのシミュレーションを発表している。それによると、人口の4分の1である3200万人が感染し、200万人が入院。死者は最大で64万人に達するという。
 これは決して大げさな数字ではない。過去のパンデミックでいえば、1918年に世界中で大流行したスペイン風邪鳥インフルエンザ10+ 件から変異したもので、このときはなんと世界で6億人が感染し、死者は5000万人に達している。
......

無論、生半可な知識で操作されて、ウイルスや細菌が生物兵器として使われる場合は別である。
僕はそちらのほうが恐ろしい。

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病気はなぜ、あるのか Why We Get Sick

 

病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解

病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解

ああ、この本買いてえなあ。
進化医学は素晴らしい方向に向かっていると思う。
ゲノム解析などの成果が今まで顧みられなかった「生命観」を明らかにしている。


面白い。
風邪は引くべきなのである。
医者に行かないでゆっくり休むべきなのである。

しかし、値段が高い。

数ヶ月我慢の子であろう。
図書館にあればいいのだが.......





##### 以下アマゾンの商品説明からの引用である ##########

私たちの体はこんなにもうまくできた構造をしているのに、なぜ病気にかかりやすいのだろうか。本書は「ダーウィン医学」(=「進化医学」、チャールズ・ダーウィン自然淘汰の理論)をベースにして、病気やケガ、老化など我々にとって身近で重要な問題を、2人の進化学者がわかりやすく解説したものである。

著者らは病気の原因として、防御、感染、新しい環境、遺伝子、設計上の妥協、進化の遺産の6つを挙げている。そして、それぞれのカテゴリーの中で、病理は真価を認められないある種の利益と関係しているという例を紹介している。人間にとって病気は憎むべき存在だという思い込みが、根底から覆されるような考え方である。


たとえば、防御について言えば、色白の人が重度の肺炎にかかると、顔色がくすみ、ひどい咳をするだろう。この場合、くすみは欠陥があることの表れであり、咳は防御の表れである。欠陥を治すことは有益であるが、防御を妨げて、排除してしまうと、大変なことになる可能性がある。しかし、実際の医療の現場はまさに、防御を妨げるような治療法が行われているのである。我々の体は長い時間をかけて、種の繁栄に有利なように進化してきていて、さまざまな肉体の現象は、どれもこの目的を果たす上で有効なのである。

医学を進化の視点で見ることは、病気の進化的起源を理解するのに役立ち、その知識は医学本来の目標を達成するのに大いに役立つ、と著者らは自信をもっている。そして、我々は本書を手にすることによって、彼らの自信に間違いがないことを知るだろう。(冴木なお)





メディア掲載レビューほか
病気はなぜ、あるのか 進化医学による新し

著者のネシー氏はミシガン大学(Univ.Michigan)精神医学部教授で適応進化研究部門の代表、ウィリアムス氏は遺伝子淘汰説の提唱者の1人。生物の形態や行動に、永い進化の過程で培われた適応的な意味があるように、罹病や老化といったプロセスにさえ進化的な意味があると主張する。

 文人曰く、「人は病むように作られ、健やかにあれと願われ」。このギャップこそが人の多くの苦悩の源泉である。こうした文学的な命題を「進化医学」という独自の視点から解き明かしたのが本書。

 例えば、著者らは「老化とは若さの泉だ」と指摘している。血管の老化、つまり動脈硬化にはカルシウムの沈着という現象が見られる。骨折に際して、カルシウムの代謝を変える遺伝子が関与し、その遺伝子はまた動脈硬化を促進する役割を果たす。


 つまり同じ遺伝子が一生の中でポジティブにもネガティブにも働くが、進化という立場から眺めると、この遺伝子は淘汰上有利に働く。遺伝子が老いた場合に不利に働いても、若いときにわずかに有利に働くならばその遺伝子は集団の中に広がり続けていくはずだ。


 このような研究報告を渉猟していくと悲惨で克服を至上命題とされている疾病の別な側面に気づかされる。例えば、記憶中枢である側頭葉が選択的にダメージを受けるアルツハイマー病。米国国立老化研究所(NCI)の研究者は脳の中でも最近になって進化した部位の異常が集中することに注目し、「過去400万年以上にわたって、人間の脳を非常に急速に増大させた遺伝子の変化が、ある人々にアルツハイマー病をおこさせているか、または、他の遺伝子の変化によって打ち消されることがまだないような副作用を生んでいるのではないか」と提案している。

 痛風はどうだろうか? うつ病は? 分裂病児童虐待にも適応的な意味はあるのだろうか? 答えはすべて本書に書かれている。原題は「Why We Get Sick」だが、「病気はなぜ、あるのか」という邦題も意味が深い。



(日経バイオビジネス 2001/09/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

自衛隊よ、夫を返せ!―合祀拒否訴訟

1988 社会思想社 田中 伸尚

僕の大学時代、思い出の一冊。
この出会いは大きかったなあ。

軍隊は人を殺し、人としての最後の安らぎも奪う。それが国家の本質なのだ。

大学に入って、日本史の授業を受けた。年号と出来事の暗記を嫌悪していた僕はあまり単位にうるさく無いと言う噂の授業を受ける事にした。中島三千男先生と言う人の授業で、何気なく教室の端に座って聞いていた。
近代史の専門の先生で、何となく話を聞いていた。靖国神社の合祀の話だった。


余り興味もなく話を聞いていた。粗筋はこうである。
自衛隊のトラック事故で死んだ隊員がいた。その隊員は自衛隊葬でお葬式をしてもらって、靖国神社に祀られた。その後、未亡人が合祀をいやだから戻してくれと言う裁判を起こしたと言う問題である。

何で、合祀がいやなのかなあと思った。


そして授業の中で先生は語った。


事故が起こった後で、遺体と奥さんは対面出来なかった。通夜の時も対面出来なかった。そして、葬儀が始まる前に10分位会えたそうだ。そのとき奥さんは編みかけのセーターを亡骸に掛けてあげる事が出来た。そのとき、余り急いでいたので裏返しにかけたそうだ。何年もその事を彼女は悲しんだ。

大掛かりな葬儀と神にまつる儀式の間、彼女は安らぎを得る事は出来なかった。小さな子供と供に、やがて彼女は自衛隊の官舎を出て一人で生きる事になる。

彼女は決心した、自分の心に正直に生きる事を。
そして、裁判を始める。右翼から多くの脅迫状が来ることになる。非国民、日本がいやなら出て行け、様々なことを言われる事になる。
彼女は負けなかった。そして、多くの支援者と供に戦い生きる事になる。

先生の言葉を聞いているうちに涙が止まらなくなった。

私たちは、生きる、そして、いつか死ぬ事になる。安らぎとは何なんだろうか?
国家は、本来、国民が心を安らかに生きる事を最大の目的としなければいけないのに、決してそうはなっていない。何か間違っている。

その後で、この本を図書館で見つけた。そして、本屋で買った。何度も読み返して、涙が止まらなかった。

僕も、自分の気持ちに正直に生きたいと思った。誰が何と言っても、負けてはいけないと思った。

20年後、僕は労働組合の委員長となり、労働争議を戦う事になる。あの時に頑張れたのはきっと自分の気持ちに正直に生きる事が大事な事と決心していたからだろうと思う。




大学ではまじめ(司法試験を目指す様な形で)に法律を学んだ訳ではないが、憲法、刑法、文化的な面から見た法律を一生懸命勉強した。
社会と法律の関係、とても重要である。


http://www.inet-shibata.or.jp/~diet/K_KUM_START/index.html

>>>>>この本の事<<<<<<<

大事な本なんだけど,何処かかに紛れ込んでしまった。
『合祀はいやです。―こころの自由を求めて』と言う名前で再販されている。
さっき、注文した。


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日本とは何か 日本の歴史〈00〉mixiより引越し2006年09月01日 17:27

日本とは何か 日本の歴史〈00〉

日本とは何か 日本の歴史〈00〉

講談社 のこのシリーズは配本時にみな買った。
非常に面白いシリーズである。

日本という呼び名は7世紀にしかできていないのだから、それ以前の歴史を日本という呼び名ではおかしい。
彼はしっかりと書いている。

先の戦争のひどさを知っている先生だからこそ言える言葉である。
そして戦争の記憶は消えていく。
父の記憶は僕に引き継がれ、子どもたちに引き継がれることを切に願う。

そして、あのような馬鹿らしい戦争が繰り返されないように願う。
とは言っても今も世界の何処かでは市民は兵隊となり、殺し、殺されているのだ。

素晴らしい思想家で、歴史家。世界に自慢する事の出来る人。僕が大学にいた時期に丁度、網野先生は同じ大学にいらっしゃった。(神奈川大学なのだが)一回、ゼミの先生と話をしている時にお姿を見かけた事が有る。

この本の事を書こうと思って読み返してみたら、いかに今の時代に重要な事が書かれているか再認識出来た。
僕がwebを始めた時に一回書いているのを見つけたので詳しい事はそのページに譲る事にする。

http://www.inet-shibata.or.jp/~diet/o_democracy/o_person_amino.html

『古文書返却の旅』という本があるのだが、それが素晴らしい本なんだ。若い時代にいかに悩み、苦しんだのかが書かれている。網野先生の本はかなり持っているが皆面白い。

この本は、講談社の『日本の歴史』という24巻の全集の最初の一冊になる。2000年〜のあたりからの配本だった。僕の人生の歴史的には、鉄工所が潰されて決まった仕事もなく、ソフトの仕事を始めようかとしていた時だと思う。

栄佳堂と言う名前の新発田ではなかなかいい本をおいてある本屋さんで、そこで予約して配本を心待ちにしていた。

その本屋さんには40台の後半くらいの人が務めていて、よく本の話をした事を覚えている。
毎月の収入も安定していなかったころだけど、配本される本を読むことはとても楽しみだった。(今でも収入は安定していない)

その店員さんはとても良く本の事を知っている人だった。
二年ぐらい後になって水原高校にパソコンを教えに行った時に司書の先生とその人の話になって、いろんな本を勉強している人だよねえと言うことになった。

やがて、彼は栄佳堂をやめることになり、その人以外にもいた本のことを知っている店員さんが、どんどん本屋さんから消えて行った。

その辺りからアマゾンで本を買い始める事になる。
彼は今何やっているだろうか。僕は小さい頃、本屋さんになりたかった。

>>>>>>>日本の歴史 00巻 『日本とは何か』 p20より<<<<<<<<<
私自身は、戦争中、友人を殴打、足蹴にしてはばからぬ軍人や軍国主義的教官の横暴を体験して来ており,その背後に絶えず存在した日の丸・君が代を国歌・国旗として認める事は断じて出来ない。
それは個人の感情と言われるかもしれないが,この法律は、二月十一日という戦前の紀元節神武天皇の即位の日という全く架空の日を『建国記念の日』と定める国家の国旗・国歌を法制化したのであり、いかに解釈をかえようと、これが戦前の日の丸・君が代と基本的に異なる物ではないことは明白な事実である。このように虚偽に立脚した国家を象徴し、讃えることを法の名の下で定めた物が、この国旗・国歌法であり、虚構の国を「愛する」ことなど私には不可能である。それゆえ、私はこの法に従うことを固く拒否する。.........


日本の歴史 00巻 『日本とは何か』
網野喜彦 著
2000年10月24日
講談社

2004年に網野先生はお亡くなりになっている。悲しい事だ。

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