町山智浩さんが特許に関しての映画を紹介しました....... 2009年04月11日01:56
この後、町山智浩は、上杉隆バッシング同盟に加入して、あれよあれよという間にベストセラー作家になるのだ。
もう好きではない。
僕も、特許で儲ける側の一人ではあるが、それを知っている。
そして憂鬱である。
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ストリームが終わり、キラキラが始まって2週目かな。
僕の大好きな町山さんは残り、それはポッドキャストでもきける。
今日は彼が『天才の閃き』という映画を紹介していたので聞いていた。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20090410
物語は、自動車のワイパーを発明した人が、フォードにその特許を勝手に使われ、20年に渡る法廷闘争の末に勝利して最終的には100億を超す金額を手にすると言う映画だそうだ。
大企業対個人の戦い、そして苦難の末個人は勝つ、感動である。
非常にいいお話しである。
町山さんの『人間主義』にハマった僕としては嬉しいお話しである。
大きな自動車会社を叩くアメリカの世相にも合って良いことである。
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だがちょっと待って頂きたいなあと思った事がいくつかあるのよねえ。
特許に関してのスタンスです。
『発明が個人に属する物で、特許という物が個人の権利を守る為に有る』と言う考え方には僕は賛成出来ないのです。
そもそも、『特許、著作権』と言われる権利は産業革命の頃から始まる社会構造の激しく変わる時代に特定の産業を育成する為に作られた権利である。(という学説を僕は正しいと思っています)
もうワイパーの特許は失効しているかもしれませんが、例えば中国やインドで一生懸命車を作ったとした時に一台当たり幾らかの金が彼(アメリカの特許保有者)のものになるのです。
そして彼(アメリカの特許保有者)はますます裕福になり、中国やインドで車を乗る人間は自分の稼ぎをピンハネされるのです。
『昔戦争、今特許著作権』とは良く言った物です。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=733682183&owner_id=6094320
ビルゲイツさんがあれだけお金持ちになったのはソフトウエアが著作権で護られているからです。
今や、医薬品の世界でも特許は必須です。アフリカではその薬があれば助かる命が助からない『片棒』を特許は担いでると思います。
ねえ、お金持ちの皆さん、そんなに金持ちにならなくても良いではないですか?
僕はperlと言うオープンソースのソフトで仕事をしています。
perlを作って無料で公開して、今も育てているラリーウオールさんはとても素晴らしいと思います。
特許は国際条約で互いの国でとる事が可能です。
うちの特許を護ってくれよ、お前の国の特許も護るからな。
という立場からすると特許は強い権利で絶対不可侵なのだと考えなければなりません。
そうしないと相手の国から金をピンハネすることができませんからね。
これには裏があります。
現在では、技術の水準が上がりすぎていて、ガレージで作った発明が大企業に勝つなどという事はあり得ないのです。(亀の子タワシの様なニッチな物は別ですが)
アメリカ(や日本)が中国やインドで作られた特許を護るから、お前達も護れと言った所でその金額の差は凄まじい物なのです。
そう言う権利を保障するというのはそれだけ多くの特許を持っていてピンハネの道具に使っているという事なのです。
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このお話し(ワイパーの特許)は、『一人の人間が、裁判を通じて、世界ピンハネクラブに入会を許された』と言う風に見る事も可能でしょう。
世界ピンハネクラブに関しては今度またゆっくりとお話ししましょう。
確かに、大企業に個人が戦いを挑み勝利を収めたという風にも感じる事は可能でしょうが......100億手に入れた所でもう彼は遠くに行ってしまっているのです。
特許や著作権の意義の1つとして、
『発明家やアーチストは世界を豊かにする才能に恵まれているのでその才能を生かしてもっと世界を豊かにする発明をしてもらいたい。』
という物があると思うのです。
僕はその通りだと思います。そう使われるべきだと思います。自家用飛行機などなくても良いからね。
では、100億の金はどのように世界を豊かにするのに使われたのでしょうか。
ビルゲイツは世界の福祉の為の財団を作ったそうですが、自分は相変わらずお金持ちのままで有る事には変わりありません。いいですね。
もう一度聞きたいのですが、そんなに金持ちにならなくても良いではないですか?
何とか言ってやってよラリー。
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町山さんは、こう言った事を存知の上でアメリカの世相を紹介する為にああいう感じになったんだろうなあと思っております。
フォードが汚い会社だと言うのは良く分かるのです。
たとえ、会社が倒産しても、本当の意味の黒幕(株主)は消えず、経営者が取っ替えになって、ピンハネは続きます。
ほんの数十年前まではこれだけの格差が生まれるなどという事は考えられなかったのです。
そんな時代に作られた法律を今も同様に運用する方がおかしいのです。
特定の産業を護り、言論の自由を育てる為に作られた法律は、いまでは、特定の人々を裕福にして、検閲の為に使われています。
江戸時代はクーラーもなく、結核になれば将軍でも死ぬし、自家用ジェットで世界を回るなんて事、庶民も大富豪も出来なかった。
今の社会の格差の大きい事甚だしい。
そして、マシンガンが一丁あれば一人で100人を殺すことができる。
そんな憂鬱な世界なのだという事を考えながら風呂に入ろうかねえ。
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著作権に関しても書きたいのですが、それはまた別の所でね。
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