食の安全という神話はTPPで崩壊するのか?
食医石塚左玄の食べもの健康法―自然食養の原典『食物養生法』現代語訳 (健康双書ワイド版)
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今日の結論は『「教育、食事、医療」は市場経済でコントロールしてはいけない』である。
ビデオニュース.comというインターネット放送の有料ユーザーになって暫く経つ。
なかなか面白いのである。
今回TPPの話題が放送された。
過去の放送を見て、思ったことがあるので書きたいと思う。
藤田和芳氏(大地を守る会会長)さんのインタビューである。
遺伝子組み換え、農薬の使用、産地の表示などがTPPではアメリカ基準になるために日本の基準が破壊されるという議論であった。
僕は、若いころ糖尿病になり、食事に関しては結構考えたり作ったりするのが好きである。
彼らの議論は誠に賛成である。
TPPは、その国の文化を破壊するから問題なのであるという結論である。
様々な食に対しての「国を覆うバリア」はその国の文化に根ざすものであり、そのバリアを剥がすことは文化を否定することになるのだ。
明治期に石塚左玄と言う思想家がいた。
彼は「食養道・マクロビオテック」の初期の理論家として高く評価されている。
大きく食生活が変わり多くの問題が浮き彫りになった時代に彼は多くのことを発信する。
「食本主義、身土不二、一物全体」いずれも大好きな考え方である。
彼のことを思い出した。
「梅干しと天ぷら」の食い合せが悪いというのは関税障壁になるから撤回せよと言われたらどうしよう?
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面白かったのは、低温殺菌牛乳に関しての神保さんの意見である。
これほど、遺伝子組み換えに対して否定的な「雰囲気」をもつ日本がなぜ「低温殺菌」に関しては寛大なのかと言う疑問が投げられたのである。
宮台さんはNHKがものすごいキャンペーンをして遺伝子組み換えに対しては否定的な「雰囲気」が作られたというのである。
そのとおりである。
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高温殺菌の牛乳(120度1秒)の価格は145円、低温殺菌(65度30分)の価格は250円、この95円の差をどう見るかである。
アメリカでは、人々が階層化されている。
経済的な事情から、体に悪いと分かりながら「特定の食事」をする以外の道がない人々。
「特定の食事」とはコストが少なく作れる(農薬漬け、遺伝子組み換え)ものである。
この食事は利益をもたらせる。
裕福でそいうった食事を取らなくても済む社会層である。
この特定の食事をアメリカは輸出したいのである。
もっと言い方を変えれば、安全性(と言われているもの)を無視するというのは「特定の食事」に依存する社会層を輸出したいのである。
『日本の基準が正しい』というドグマに囚われていけないということも留意しなければならない。
食に対しての「雰囲気」と言うのは難しい。
昔、みのもんたがアルミの鍋とアルツハイマーの関連(全く関係ないと僕は考えている)を放送したことがある。
その瞬間、日本中でアルミ鍋が捨てられたという(笑)。
NHKの「ためしてガッテン」などという番組は「科学的な実験」の様な顔をして平気で嘘をつく。
こういうステマ的な健康番組は腹が立つ。
食に対しては何が自分にとって正しいのかしっかりとした基準を持つことが重要である。
正しい食事は個人に属するもので、個人の意識が世界を変えるのである。
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