「COVERS」(10)たこ焼き、イカ焼き

フェースブックにはカバー写真を設定することが出来る。皆それぞれに気に入った写真をアップロードしてコメントを書く。僕は厨房仕事に欠かせない道具をカバーすることにした。COVERSというのは僕の大好きな音楽家のCDだ。有名な曲の「替え歌」が演奏されている。料理のレシピというのは大昔から家庭でそれぞれに奏でられている音楽のように思う。誰かに習い、毎日奏でる。皆同じ様に見えながら二つとして同じものはない。私達一人一人が違うように。「商品化された食事」は自分らしさを殺す。自分らしく生きるために僕は今日も道具たちと厨房に立ち、料理を作る。このシリーズはこちら


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東京ならば「河童橋」、大阪は「道具屋筋」。
飲食店を始めるときはいくといいと「丸元淑生先生」の本に書かれていた。

33歳の頃つてを頼って大阪に職を得たのだが半年くらいでクビになった。
公共事業の談合屋での営業は僕に向いていなかった(笑)。

西成(花園町)のアパートから心斎橋の事務所まで(時折)歩いて通ったのであるが「なんば」を通り抜ける形になるので、「なんば・黒門市場・新世界・飛田新地」を見て回れた。人生は何が起こるかわからない、毎日会社でいびられながら、大阪は僕を優しく包んでくれた。サンゴ礁のように複雑に入り組んだナンバコロニーの一角に道具屋筋はある。



ちょうどその頃阪神デパートの飲食店の一角で「いか焼き」が大人気になっていた。
クリーニング屋さんのでかいプレス式のアイロンのような造りのイカ焼器で「小麦粉したイカを丸々一匹」プレスするのである。
見ている間に上下から焼かれ、平たく熱が通っりパリッとなったイカにソースをかけて渡されるのだ。
ある日道具屋筋イカ焼き機を見つけた。反射的に買ったのだが、中々上手に焼けない。
何事も練習と熟練だ。何かコツがあるのだろうがなあ。

masaya50.hatenadiary.jp



たこ焼き機は、少し後になって、厚手のものを買った。友人のTさんに使い方を習い美味しくできるようになれた。
持つべきものは経験豊かな友人である。
時折子供達と焼いては食べていたが、しばらく使っていない。