「COVERS」(2) 普段使いのフライパン

フェースブックにはカバー写真を設定することが出来る。皆それぞれに気に入った写真をアップロードしてコメントを書く。僕は厨房仕事に欠かせない道具をカバーすることにした。COVERSというのは僕の大好きな音楽家のCDだ。有名な曲の「替え歌」が演奏されている。料理のレシピというのは大昔から家庭でそれぞれに奏でられている音楽のように思う。誰かに習い、毎日奏でる。皆同じ様に見えながら二つとして同じものはない。私達一人一人が違うように。「商品化された食事」は自分らしさを殺す。自分らしく生きるために僕は今日も道具たちと厨房に立ち、料理を作る。このシリーズはこちら



テフロンのフライパンは消耗品だ。ある程度時間が経つと表面が劣化する。劣化したテフロンはあまり愉快ではない。テフロン加工は「脂質が健康に悪いぞ」キャンペーンですっかり当たり前に使われるようになった。軽くて安いのが嬉しい。
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左の上の2枚はずいぶん長く(結婚当初から)うちにある。すでに表面のテフロンは剥げてフライパンとしては使っていない。煮物を作るときの鍋につかている。また、乾麺を茹でるときにも大変使い勝手が良い。横にして茹でることが出来るので深型のパスタパンはまるで使われない。底面が広いのでコンロの熱を受け止めるのが得意であろう。昔は毎日のようにそばやパスタ、饂飩に素麺、なんでも茹でていた。今は煮物にオデンによく使う。
 
奥右の白いフライパンは少し前に流行ったコーティングだったと思う。油なしで目玉焼きを作っても綺麗に剥がれるということで(お店で見かけて)買ったのだが、すぐに焦げ付くようになった。しばらく使っていないのだが、また少し使ってみようかな。たしか深夜の通販番組でも見たことがある。



通販番組を見るのは大好きだ。ホントかよなどと思いながら見終わると電話したくなるのが常である。まだ一度も買ったことがない。あの「2個セットにおまけ付きで半額」という売り方には感心する。2個の内の半額の無料の方を一つ分けてもらいたい。それなら、送料ぐらい負担しても良いなあ。
夜、父の家に行くと、(昼寝ているので)眠れない父が、通販番組を見ることなく見ている。深夜の番組も電力の無駄というばかりでもないのだろう。何を思いながら画面を眺めているのだろうか。
 


その上の小さなものは今一番良く使っている。コーティングはマーブルコートと言い、テフロンに大理石の粉を混ぜているとなっていた。当然、油がなじまない(はじく)と思っていた。幾度か使っているうちに油に馴染みだしている。なぜだろうか?大理石の粉のせいかなあ。
買ったときは気に入らなかったのだが使っているうち欠かせない存在となってきた。道具というのはさもありなんと思う。