『幸運な病のスタディ』(17) 生命の単位は細胞 細胞の栄養学(7)

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【前回までのあらすじ】

私達も含めて、(目に見える大きさの)生物とは、細胞のコロニーです。
細胞こそが、「生命活動の場」なのです。
細胞は常にエネルギーを消費します。
エネルギーとは(ATP<=>ADP+P)のリサイクルなのです。

植物が太陽光線で代謝した高分子化合物を代謝(別な形に変える)事で、エネルギーを生み出すのです。
『C(炭素)とH(水素)』を利用して、ミトコンドリアでリサイクルされます。
そして使われた『HとC』を安全な形で細胞から運び出すために呼吸で取り込まれた「O(酸素)」が使われます。

この過程で「活性酸素フリーラジカル)」が発生します。そして、最奥は常に損傷され破壊され続けます。

私達(目に見える大きさの)生物とは、常に起こる『細胞の「死」』と『細胞の「生」』の均衡の上に成り立っています。





【身体というコロニーは組織から成り立っている】
いくつかの細胞が集まり、特定の機能を持ちます。
ホルモンの分泌や外部との隔壁、様々な物質を消化して体内に取り込みます。


体液の中に浮かぶ細胞の集まった組織が他の細胞や組織と『異なっている』ためには「細胞の隔壁」で区切られていなければなりません。
その組織に特異的に存在する物質を集めて外に漏らさないようにしなければならないのです。
また内部で生じた物質を外に運び出さねばなりません。

生活習慣病とは、「細胞の死」が「生」より多くなり、組織が機能しなくなることなのです。そしてその他の細胞より早い「組織の死」はときにコロニーに致命的な問題を引き起こします。



関節の痛み、髄膜の炎症、アトピー、そして膠原病や難病(治療方法の見つかっていない症状)も組織の死に起因する災厄に含まれます。

膠原病の体験談を読むと。食事にこそ原因があると言うことがわかります。

症状を抑える薬ではなく、食事(=生活)を変えることでしか自立した生活を取り戻せないのです。
そしてどんな食事のポリシーで実践しているのか、次のシーズンでは表現していきます。

【組織はタイトジャンクションで守られている】
細胞は他の細胞のことを知りません。
あたかも意思を持って細胞同士がコミュニケーションぢているように見えます。しかし、それは「細胞という孤島」が周りの「体液(間質液+血液)」を流れている物質が細胞膜に埋め込まれたの「センサータンパク質(受容体)」と結びつき反応しているに過ぎません。
あたかも意思を持って行動するように見えますが、それは(外部からの刺激に対する)単なる反応なのです。


細部の隔壁は、細胞同士が固く結びついてシート状になって出来上がっています。
この結びつきをタイトジャンクションと呼びます。
皮膚や粘膜と言った外部との隔壁、膵臓のような臓器、甲状腺、脳を守る髄膜いずれも重要な組織を守るためにシート状に結びついた細胞が覆い包んでいるのです。

そして、タンパク質が適切に結びつくことでタイトジャンクションは機能しています。


炭水化物はあまりに魅力的です。
そして私達はその魅力に勝てません。
多すぎる炭水化物は早くに満腹にしてくれるので、必要な脂質やタンパク質を食事から取ることが出来ません。

18歳くらいまでは新しく生まれる細胞のほうが多いので成長していると言われます。
その後、30歳〜40歳の「細胞の生と死」はほぼ均衡が取れています。
この時期をすぎると「細胞の死」が上回り始めます。

私達は「無理がきかなくなってきた」とこの状況を話します。

そして、特定の組織が「死」を迎え始めます。
更年期、骨粗鬆症、関節の痛み、いずれも老化であり仕方がないと思われています。

僕は「不老不死」を求めてはいません。
いずれ死ぬこと、年を取り徐々に身体が動かなくなること。
それを恐れはしません。

そして最後の瞬間までピンピンして生きていく秘訣は食事にしか無いと考えています。






【運動は筋肉組織を強くするだけ】


医師は、生活習慣病が怖かった「ウオーキングしろ・一駅早く降りて歩け・階段使え」、生活習慣病になるのは「運動しないお前の自己責任なんだ」と脅かします。

しかし、考えてみて下さい。
身体と言うコロニーの中に住んでいる「生命の主役の細胞」がタンパク質が不足して災厄を迎えることと筋肉組織を鍛えることには何ら関係はありません。

僕は運動が好きです。泳ぐことは喜びです。
最初は糖尿病の治療のつもりもあったのですが、今はプールに行くことは素晴らしいことだと感じています。



脅されて運動をすることは、喜びを奪います。
脅かされて体にいいというものを選んで食べる食事も喜びとは遠く離れたものです。
喜びを失った「人生」に何の意味があるのでしょうか。
人生を楽しみ、苦しんでいる誰かのためになろうとすること、それは素晴らしいことです。それを教えてくれたのは、母であり、父であり妻であり、子どもたちであり、友人たちです。ありがとう、感謝しています。


僕は、「僕の見つけた宝物」をもっと多くの人に伝えたい。

やっぱ、遺言めいているなあ(笑)。


僕は水泳が大好き。




タイトジャンクションの発見物語
若い研究者へ遺すメッセージ 小さな小さなクローディン発見物語

若い研究者へ遺すメッセージ 小さな小さなクローディン発見物語

タイトジャンクションに関しての研究は現在進行しているところです。
タンパク質の役割も、「筋肉の元」と言う風に考えているのは、正しい姿とは言えません。

筋肉組織は「タンパク質」をプールして、細胞が必要になった時に横出します。
そして細胞が必要であることを知らせるのは細胞が分泌する「メッセンジャータンパク質」を通じてなのです。
情報は、物質のやり取りを通じて伝えられます。

食事に十分なタンパク質が含まれないと身体というコロニーは致命的な災厄に見舞われます。



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