『幸運な病のスタディ』(4)血管の病 動脈・静脈・毛細血管 生活習慣病(1)

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4つの生活習慣病分類のうち「毛細血管の病、動脈・静脈の病」のお話をしています。

生活習慣病とは。治療の終わりのない病気です。
組織の「部分的な死」を意味します。




血管は10万kmの長さがある。
95%は毛細血管で、残りの5000kmの「静脈と動脈」は2種類の細胞(内皮細胞と外皮細胞)にサンドイッチされた筋肉組織である。
そして「静脈と動脈」は一生で65億回「弛緩と収縮」を繰り返す。
弛緩と収縮の差が血圧である。


3層の細胞は「膜タンパク(細胞膜の脂質に固く埋め込まれているタンパク質)」で固く結び付けられている。


決して心臓というポンプが「血管という配管」を通して細胞に様々なものを配達しているわけではない。

血管自身が、細胞であり、巨大な臓器なのである。



血管は毎日のように作り直されて、新しくなっているのである。
なにせ10万キロの長さがある。
作り直される時に適切なタンパク質の材料(アミノ酸)が存在しなければ不良品とならざるを得ない。

色々な物質は内皮細胞に一回取り込まれ筋組織に渡される。






私達の細胞は血液の海の中に浮かんでいる孤島である。
周りを取り囲む海に流れる情報を受け取り、内部と外部の選択透過を行う。

血管は身体の中の血液を均一にしている。
と同時に「細胞が強く結びついた面」は組織を「隔絶・分離」して、様々な物質が異なった状態にしている。

均一の中から、自分の必要とする栄養素を「特異的に集めること」こそが生命活動なのです。





10万キロの血管の中を5Lの血液が1mを10秒の速度で流れている。
さほど早くない様に感じられるかと思うけど、赤血球の大きさは1/250である。
そのスケールを人の身長(1.5m)に換算すると音速を遥かに超える速度になる。



血管に関しては、この2冊がおすすめ。

いくつかの血管関係の専門書はあるが、この本が一番いい。
少し昔に出た本だけど、基本的なことがしっかりと記載されている。

血管生物学

血管生物学


20年前の本だからといって馬鹿にしてはいけない。
この本ほど血管を生き生きと描いている本はない。

考える血管―細胞の相互作用から見た新しい血管像 (ブルーバックス)

考える血管―細胞の相互作用から見た新しい血管像 (ブルーバックス)

作者の児玉先生はこれ以外にも面白い本を書いておられる。
生命を細胞同士のコミュニケーションという観点から見るようになったのは児玉先生のおかげだ。





脳のような外部から高度に機能が集中している部分を守るったり「眼、耳、鼻、口」のような外部に開かれている部分からの侵入を防ぐもの、それこそが「血液関門」の目的だ。

生体バリアと呼ばれる細胞の硬い結びつきと血液を流通させる毛細血管が組み合わせって私達の身体は成り立っている。

血液関門に関しては以下の名称で知られています。詳しく知りたい方はググって(笑)。

人体の組織防衛の一つの方法の現われとかんがられる。こちらも参照してね。

血液脳関門 脳内の毛細血管 ここに良いことが書いてあった
血液脊髄関門 脳と脊髄は一体なので当然であろう
血液空気関門 肺胞を保護、呼吸
血液胎盤関門 胎児は、子宮ので常に外的にさらされている。
万一のときのための防波堤である。
血液尿関門 腎臓のボーマン体の内外は厳しく隔離されないと
膀胱から登って来る危機に対応できない
血液精巣関門 精子を作り、放出するプロセスは同時に内部への逆流の道筋である
血液眼関門 眼球の外側
血液網膜関門 眼球の底辺
血管条 耳、聴覚の保護

実に面白い、サーバーのセキュリティとの類似する考え方である。

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