幸運な病のレシピ( 400 )夜:汁(煮しめ仕立て直し)、電磁調理器試運転

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母(2016年1月5日87歳で逝去)は80歳を過ぎてからから、徐々に台所仕事ができなくなっていった。
やがて何度か鍋を炭にしてしまい、ガスは使えなくなっていった。

2015年初頭、ついに電磁調理器を買った。
しかし、使い方が分からないのである。

パネルにテープを貼って押すボタンの説明をしても駄目なのであった。
上手くテープが剥げなかったが、このままにしておこう。


もう僕がすべての料理を作るほかなかった。

介護施設のことも調べたが(介護保険認定も受けて、何度か施設にも行った)、行きたくないという。
田舎の人と一緒にさせられても面白くない、カラオケなんかやりたくない、静かに庭を見ていたいという。
涙が出てきた。
そして、決心した。

思い出の電磁調理器である。
父が全くつかえないので、うちに持ってくることなった。





これはびっくり、皮がパリパリに焼ける。
実に嬉しい。魚を焼くのが楽しくなってきた。

ガスのオーブンでも、デロンギでも駄目であったが、これは凄い。
温度調整が的確なのであろう。
さすが、道具は進化するものである。



ネギをたっぷり入れて、煮しめを仕立て直して汁にした。
結構美味しい。

煮しめは翌日に持ち越すよりも、当日に汁に仕立て直したほうが良いときもある。


半額の刺し身である。
今日も20時過ぎに行って買ってこよう。
明日は大葉が多くあるので鰹のタタキとポン酢で食べることにしたい。


鶏もつの時雨煮。
内蔵を適切に食べることにしている。
父は美味しい美味しいと食べてくれる。

「体にいい」よりも、「美味しい」の方が正解である。
嗜好品は程々にして、美味しいものを丁寧に作って食べること。

食卓の誰が何を食べて何を残すかを見て、次の日の食事を考える。
厨房仕事は高度でインテリジェンスの高い技術である。


その意味で、ジェンダー論は外側の形式だけを見ているだけだと言われても仕方があるまい。
その議論の中には『その奥深くに「食事作りは簡単だ」という』女性蔑視が入っている。

人それぞれに合った食事を作ることは「自由主義市場経済」では不可能だ。母から娘に受け継がれる料理作りの技術は、その家族というシェルターの中で生まれる奇跡なのだ。
世代が代わりながら維持される家族というシェルターを私達は失ってしまった。とは言っても嘆いている訳にはいかない。
もう戻れないのだから。






そして好き嫌いは自分を作っている大事な選択である。
マイクロバイオームがいかにしてヒトを操っているのかは謎である。
しかし、好き嫌い」の根拠を「マイクロバイオーム」に見ることは十分な理由がある。

味というのは面白い。








今日はいい天気だった。
父と明日晴れたら、花見に行く約束をした。
毎年行っていた

思い出す。

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