僕のマイクロバイオーム論(16)  3歳の僕から見た世界(1)「ウンチを食べないのは人だけ?」

僕のマイクロバイオーム論シリーズはこちらこの記事(「日本のメスザルは性的意図でシカ相手に疑似交尾」)もどうぞ



「マユ」という名前の犬を飼っている。
一緒にソファーで毛布にくるまると、僕の顔を舐める、

僕の足も舐める、自分(マユのですよ)おちんちんも舐める、お尻の匂いを嗅ぐ、うんこも舐める。
その後で僕の顔を舐める、何となく嫌な気持ちになるが、自分(僕がマユの)でうんこを舐めるほどは嫌ではない(したことはないが......)。


「間接キッス」という言葉に子供の頃は敏感になっていた。直接キス(色んな所)をする機会を得た頃からあまりににしなくなった。まあ、ペットボトルの口なんて(比べてみれば)カワイイものだからなあ。
とは言っても、何でそんな「所」舐めたがるのか、自分のしていることとはいえども、理解に苦しむ。
誰かに操られているとしか思えない.....これが本題である(笑)。




私達ヒトは「ハグ、キス、セックス」のように「舐める」行為は「対象との親密さ」を表す。
道で出会った見知らぬ人に突然そんな事したら多くの場合犯罪となる(相手も望んでいれば公衆猥褻にならない範囲でならいいのかもしれない)。

また相手についても、「異性同性、赤ん坊から老人まで、牛午未ウサギ、十二支どころか蒟蒻まで」まさに森羅万象である。




しかし、問題も有る。
もし知られたら、自分の属しているコミュニティで禁止されていた場合、そこには居れなくなるのである。
だから、家族(コミュニティ)での許可が必要になる。
それは「感染症」に対してのコミュニティの防御の問題とも絡んでくる。


例えば、パートナーが自分に秘密で誰かと親密(セックスの遠回しな表現です)になることは許されないが、パートナー公認ならば問題はない。「お妾さん」などのように公認される関係もある。「赤線(公娼制度)」の様に社会的に承認されている仕事もあれば、援交などというように市場経済に従った独立自営業者もいる。


昔、友人とお好み焼きを頼んで隣のボックスに座っていた女性が何かに話しかけてきたことが有る。
僕らの頼んだお好み焼きを焼いてくれる雰囲気になった。注文したのが来た時、お店のお姉さんがチャカチャカ焼いてくれて、隣のボックスの客は帰っていった。その時はいらんことする店員だなと思った。
しかし、皿を下げに来た店員さんが、『隣のボックスにいた二人は時折、そうやっては他の客に自分たちの代金を払わせていた』と話してくれた。まあ、ただでお好み焼き焼いてもらうわかにもいかないし、僕にそんなに魅力が溢れていたとは思えないし、その先が有るということも考えることは難しいし.........。
まさに命拾いした(笑)。

世の中は恐ろしい。




3歳の頃を覚えてはいないが、赤ん坊を観察すれば「舐める」ことは当たり前のことであった。
母の乳首や自分の足、そして他の哺乳類と同じようにウンチも食べるだろう。
確か昔、「ネグレクト(育児放棄)されてアパートで餓死したよう幼児がウンチをも食べていたこと」を裁判の記録で読んで憂鬱な気持ちになったことが有る。


育児に関しては母性本能などというものではなく、社会での習慣でしか無いことを確信している。





3際の僕は、やがて言語・文字と「自分を記憶する装置」を持ち始めるとともに「ばっちいこと」を禁止されることになる。
別な言葉を借りれば、圧倒的な力の差(純粋な腕力のことですよ)の中で、許可を得るために「言語」は存在し習得される。




日本に文字を使えないヒトはどのくらいいるかと問いかけると「0%」だろうという人が多い。日本人の識字率は高いからなあとか自慢げに思う人も多い。
しかし、それはちがう。人口の20%は無文字分化に生きているのだ。

5歳位までは言葉もあやふやだし、文字を使って社会のルールを理解し、利用して、一員となるのは18歳(選挙権を持つ時点)である。つまりそのコミュニティの運用には参加していないのである(昔は丁稚奉公や元服というタイミングでコミュニティの一員となっていた、見習いではあるが.......)。


おそらく多くの学者様さえも、そのことを意識さえもしない。
私たちは、哺乳類の習性の上を覆う「薄っぺらな氷」の上で偉そうにしている(笑)。

だから、どんな偉い人でも、不倫するだろ。
カーター大統領が公式な発言で「女にムラムラ来たことがある」と話して、一コマ漫画で随分笑いものにされたことを覚えている。

そりゃそうだ、僕らはマイクロバイオームの乗り物なのだから。
「三つ子の魂百まで」という「ことわざ」は、私たちはマイクロバイオームが操縦する船でしかないという事を言っている。

理性などというあやふやで後付された「エエカッコシイ」の物語はこのことを具まえていなければ何も語ってはいない。




「理性がコットロールしている自分」が「不倫する自分=堕落した自分」といかにに付き合うかは大きな問題である。
やっぱり安吾は凄い。






この記事(犬の「うんちを食べる行為」の謎がついに解けた!?)は面白い。

マイクロバイオームに操られた哺乳類は「匂いをかぐ」「舐める」という2つのアクションを通じて外部とのコミュニケーションを行う。
「交尾」という自己のコピーを作るプロセスは身体というコロニーの間でのマイクロバイオームの交流に最適である。
無論、相手はなんでもいい。


そして、犬がウンチを食べるのが「狼の先祖返り」だと論じている。
犬を人扱いしているのだ。
「舐めることが異常なことなのだ」と感じる私達の意識を写している鏡である。










私たちは、「タブー」が未開の証だと考えがちである。
ヒジャブイスラム分化で顔を隠す事)」「避妊・堕胎の禁止」「食肉に関するルール」「飲酒に関するルール」自分と違うルールを因習と呼ぶ。
様々な因習が人の行為を規制・禁止するのは、その社会が遅れている証拠だと考えがちである。
決してそんなことはない。

私たちはタブーで自分自身を「記述」しているのだ。

全てのタブーを乗り越えた社会などというものは存在しない。
「ピーマンや人参」を嫌う子供がいるように、誰もが自分自身のタブーを持っているのだ。
「炭水化物や酒」を好むように、許可される


「ウンチに限らないで、自分以外の生き物を舐めるルール(誰を舐めるのか)をヒトは持っている」そして、「家族」とはそのルールを記憶する装置なのである。

私たちは、家族を社会全体に委託したのである。



だから、「不倫」などという、本来家族の問題であったはずの問題が、社会の問題となるのである。

段々見えてきた(何が!!!!)。









昨今のマイクロバイオームの医療への応用では、「他人の腸内細菌叢の移植」が大きなトピックスである。
まさに衛生的にうんこを食べるということではないかい。
友人と話をしていて、健康に気をつけて、高く売れるうんこを「産める」様になりたいものだということになった。


僕の小さい頃は「カッポン組合」と呼ぶ肥カキ(?)の仕事があった。
ちり紙と、それぞれの家のうんこを交換して、肥溜めに持っていき、畑に撒いていた。
人糞には寄生虫の卵が有るから発酵の熱で殺して、窒素を再利用していた。



決して昔に戻りたいとは思わない。
しかし、今の私たちは苦しんでいる。
その苦しみの原因はどこかにあるはずである。それを見つけなければ、開放される方法も見つかりはしない。



色々と考えさせられる。


犬の「うんちを食べる行為」の謎がついに解けた!?
2018年1月23日(火)18時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

<病気になったオオカミのうんちを、健康な仲間が食べる。うんちに潜む寄生虫が引き起こす感染症のリスクを回避する行動の名残か>

愛犬との楽しい散歩中、何か食べていると思ったら、うんち――。

犬を飼う人なら、悩んだこともあるであろうこの問題は、諸説あるものの原因が特定されていない。そのため効果的な対処の術はなく我々の頭を悩ませてきたが、先ごろ、獣医学の専門誌「Veterinary Medicine and Science」に斬新な論文が掲載された。ワシントン・ポストなどが報じた。

カリフォルニア大学デービス校の研究者による新たな研究では、約3000頭の犬の飼い主を対象に調査。すると、16%の犬が糞便を頻繁に摂取していることが明らかになった。食べるのは、排泄から1〜2日以内のものを好む傾向がある。


しかしなぜだろう。研究を率いた同校の応用動物行動センターに勤める獣医師ベンジャミン・ハートは以前、この由々しき問題をグーグルで検索してみたが、満足のいく答えは見つからなかった。「糞食について尋ねても人によって意見が違う。獣医師であろうと行動学の専門家であろうと、推測にすぎないからだ」とハートは語る。クライアントに助けを求められたとき「分らない」と答えたい専門家はいない。

うんちを食べるのはオオカミ時代の先祖返り
ハート率いる研究チームは、多くの飼い主を悩ませてきた糞食問題の解決への糸口を探した。その結果、犬の年齢、食事の違い、犬が自分の尻尾を追いかけ回すといった脅迫行動の有無と糞食に関連性があるという証拠は発見できなかった。糞食を頻繁にする犬の躾がまずかったという説も排除された。

ここで目を付けたのは、糞食する犬の80%が排泄から2日以内の糞を好むというデータ。ハートは、この鮮度こそ、謎を解明するカギだと言う。糞食は1万5000年前の犬の祖先オオカミの、一種の先祖返りだと考える。

オオカミの糞には、腸内に住みついた寄生虫の卵が含まれている。集団生活を基本とするオオカミの群れで病気にかかるオオカミが出た場合、そのオオカミが群れの近辺で排便するのは危険だ。ニュースサイト「MANTAL FLOSS」によると、寄生虫の卵は通常、感染力を持つ幼虫に孵化するまで数日かかる。

そこでハートが考えたのは、病気のオオカミが排泄した感染症の原因になり得る糞便を、健康なオオカミが食べ、群れから離れた場所で排泄する。つまり、病気の感染拡大を防ぐべく仲間の糞を食べていた。そして現代の犬もその性質を引き継ぎ、本能で糞食をしているという説だ。糞食問題は解決されてはいないものの、「この説は理論的だ」と話す。

空腹を満たすために食べるケースも
ペンシルバニア大学教授でこの研究に参加したジェームズ・セルペルは、「飼い犬における、行動および人間との相互作用」と題したハートの考察を「もっともらしい」と評価している。

また研究では、糞食する犬を見て「食欲旺盛だ」と思いこむ飼い主がいることも判明した。確かに、過去の研究で、発展途上国の野良犬は空腹を満たすために残飯をあさったり、人間の糞便を食べたりするケースが報告されている。

「歴史的にこの生存能力を鑑みると、現代の犬にも(糞食が)依然として非常に広い範囲に普及している可能性がある」とセルペルは考える。「現代の飼い犬や猫には、脂肪やタンパク質が比較的豊富に含まれた食事が与えられているが、そのすべてが完全に消化されるわけではない。そこで間接的にも糞便が魅力的な食糧源になる」

アリゾナ州立大学でイヌの研究に取り組むクライブ・ウインも基本的にこの考えに賛成だ。犬のその生態は人間との生活に寄り添うもので、例えば「夕飯の残飯だけでなく、人間がトイレに遺した糞便」も犬にとっては同列のようだ。「食欲という欲求に動機付けされている」という考えを示した。

糞食ストップの躾は100%失敗
ウインによると今回の調査では、他にも重要な知見が得られた。糞食をする犬に「止めなさい」と指示したら従うか、また一般的な躾用の11の製品のいずれかを使って糞食を止めさせることができたかを飼い主に訊ねた。すると、ほぼすべての飼い主が失敗していたという。貴重な成功例はわずか2%で、犬の糞便の味をまずくする錠剤を混ぜた飼い主だった。

とにかく、愛犬の糞食を止めさせたい飼い主にとって状況は絶望的だ。ハートも認めている。だがまだ諦めるのは早い。ハートによると、これまでの躾用の製品は臨床試験を合格したものではない。ハートと仲間たちは「さまざまな治療法で臨床試験を行う予定」で、自らの手で製品開発に取り組むという。悩める愛犬家に救世主が現れる日もそう遠くないかもしれない。


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