幸運な病のレシピ( 156 ) 夜 カキフライ、椎茸・茄子・カボチャ天ぷら、おでん汁
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僕はカキフライにはうるさい男なのだ。
牡蠣が安売りになっているといつも妻は買ってくる。アヒージョにしない時はほぼカキフライである。
飯田橋の料理屋さんで食べたカキフライが忘れられない(注1)。
2つ3つの牡蠣を合わせて1つの衣で揚げる。
丁寧に衣をつけて静かに揚げる。
丁寧に揚げられた牡蠣は、適度に加熱され、美味しかった。
それまで余り好物ではなかったのだが、その体験以来大好きである。
適切な加熱のカキフライは生より素材の美味しさがでていると思う。
こんなに簡単で安く味わえる極楽があるであろうか。
揚げたての牡蠣フライは衣の中で蒸されて独特の滋味と風味が出る。
冷凍を大量に揚げて並んだ店の牡蠣フライも好きだが、自分で衣をつけ、揚げたてを食べたこの味は別なものである。
同じものだと思うと腹が立つが。別なものと思えば腹も立たない。
そもそも、どこで食べても神楽坂のあのお店の味には及びもつかない。
追憶は甘美で、残酷だ。
そして、いつも裏切られる。
恋も味も、過ぎ去り変わった自分の残り香である。
たかだか牡蠣フライで大げさな話だ(笑)。
2:48 | 汁:大根下茹 |
3:23 | 汁:昨夜の残汁と昆布水合わせる |
4:45 | 牡蠣f:下ごしらえ開始 |
9:31 | 汁:きのこ投入 |
16:08 | 汁:下茹終わり |
19:21 | 牡蠣f:カボチャ揚げ始め |
23:00 | 牡蠣f:椎茸揚げ始め |
38:12 | 牡蠣f:牡蠣揚げ始め |
27:39 | 牡蠣f:ナス揚げ始め |
31:35 | 汁:牛肉投入 終了 |
44:11 | 牡蠣f:牡蠣 味見 |
僕は2-3合わせたものが好きだが、妻は余り好まない。
一つ一つを揚げたものが好きだ。
「好み」の差と言うのは何よりも大事なものだ。
自分で作るということは、自分なりにチューニングされた世界を作るということである。
無論何を食べるか選ぶ過程も入ってくる。
それはマイクロバイオーム(森羅万象に潜む神々)が私という意識に伝えていることである。
その言葉に従うことで災厄から逃れることが出来る。
今回の牡蠣は、3割引きであった。
多分2つで800円位だったと思う。
朝縛った昆布である。
こうやると昆布をたくさん食べることが出来る。
旨いから嬉しい。
牡蠣鍋はあまりしない。今度してみようかな。
天ぷらを一緒にした。
これも嬉しい。
汁は昨日の残りと朝の仕込んだ昆布のだしである。
やはり、仕立て直すと味に深みが出る。
昆布がたくさん食べることが出来て嬉しい。
ドンコなども良い。
今週の在庫一掃。
もつ煮や筋子、マダラ子を食べてしまった。
机で一杯やっている僕をマユが覗く。
可愛く見えるが、獣の本性を隠している。キーボードにおしっこかけて壊したりやりたい放題である。[ 1・2 ]
綿棒やティッシュ、僕のお気に入りのボールペンなども好物である。
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注1;飯田橋の料理屋さんで食べたカキフライ
ソフトの仕事を始めた頃の事である。
(コストカットのために)友人の会社(発注元)に泊まり、歩いて客先まで行って開発をしていた。
大変大きなシステムの仕事だった。
寝袋を持ちこんで床で寝て、銭湯に行った。時々ご褒美にサウナにも行った。
早い時間に一杯やって明け方に起きてソースを書くのはこの頃ついた癖かもしれない。
神楽坂という街は実に素敵な街であった。
古くからの料亭(僕など入れない)が並び、結構安い飲み屋さんもある。
多分17年くらい前だろうなあ。
あのお店はまだあるだろうか。
新潟にUターンして、鉄工所が潰されて、先の見えない40歳代の始めの頃だった。
今は先の見えない50歳代である。