r人生痩せたり太ったり(仮題)」のコンセプト(9)癌に関しての仮説を読んだ

多細胞生命は。小さな生命の集まったコミュニティと考えている。
映画で時折見る「アフリカの大きな蟻塚」を考えると良い。
そこでは、アリだけではなく様々な生命が協力し合いながら、時に裏切りながらコロニーが維持される。
ヒトの身体もそう考えると筋が通る。




ニューズウイーク(日本語版)で、癌に関しての仮説を読んだ。

面白いと思った。

僕は癌は細胞の苦しんでいる叫びだと思っている(詳細は「幸運な病」を読んでね)。





癌はミトコンドリアが上手く扱えなくなった状態だという事は何かで読んだ。
無気呼吸しかできなくなるので、大量の乳酸を産出する。
代謝は大きく変わり、細胞自身が、自分の論理で生き延びようとする。


ヒト(生き物)の身体というのは1つのコロニーと考えることが出来る。
コロニーでは外部から様々な物質を取り込んでずべての「小さな生命」に取り込んだものを全て公平に分配する。
細菌や菌類、ウイルスと、様々に生命はこのコロニーで生きている。
誰が偉いとも、誰は不要だとも言えない。

そんな時にある生命が突然暴れだす。
暴れると言っても、他の生命との比較であって、私達の医療がそう考えるだけである。
たしかにコロニーは破壊されることも多い(癌で死ぬ場合)。
しかし、寛解する場合もある(自然治癒)。

致命的な環境の変化がその細胞の周りに起こり、癌になってしまったと思えないだろうか?



ガンは、原因ではなく結果だという考え方が好きだ。
癌が「発見された時手遅れだ」ということである。
そもそも、発見されるまで大きくなる(=免疫が見逃している)様な環境を作らない(適切な食事を摂って)ようにすることである。

生活が癌を生むと考えるのである。

これは「発ガン物質説」と「かウイルス起源説」などと少し観点が違う。
確かに、発ガン物質もウイルスも環境の一つである。とらないに越したことはない。しかし、様々な問題は常に起こる。それに対しての動的な対応が免疫なのだ。


しかし、それらの問題を「排除するべき免疫系」が上手く動いていないのである。
僕が癌を「生活習慣病」で「免疫の病気」と分類するのはこの考え方による。




発ガン物質説の論者は「有機水銀中毒(イタイイタイ病)」の等な疾病モデルを想像していると思う。
魚の皮の焦げを病的に恐れたりする姿を見ればわかる。
環境ホルモン」と呼ばれる現象も同じような感じがする。
試験管や実験動物のエビデンスが生命に直結するという思い上がりがある。
まあ、学者にとっては、それが商売なのだから仕方がない。







◯テロリストを考える。

もう回復不可能な所までコミュニティが破綻した場合、メンバーは何をするのかという問題である。
誰も痛みを伴わない解決策はない。
コミュニティとして存在するならばである。
赤の他人となるならば、それで良いのである。



僕自身の体験を考える。

コミュニティでボスが、こうしろという。
メンバーはそれに従う。
ボスが変わって、メンバーに今までのボスが指示したように指示する。
所が、その指示がメンバーに「納得がいかないものである場合」、メンバーはボスに歯向かう。
山口組みたいだ。

しかし、これは、家族の中でも観察されるメンバー間のパワゲームである。
子供が年を取って親と同様な活動ができるようになった時、親は子供との向き合い方をかえなければならなくなる。
そして今までの向き合い方を総括しなければならなくなるのだ。

家族というコミュニティの分析は面白い。
色々と本を買ったが、上手く説明している仮説には出会ったことがない。

「反抗期」と言うのは、子供が周りの人間いかにコントロールするかの練習期間である。
だから、父は怒り、母は服従するのだ。
様々な家族についての言説は「変わっていく関係性(動的関係性)」「複雑系因果律ではない」という事を理解していない。そして親は子供の成れの果てである。

これも次の本の主催である。



国家から、家族、そして細胞やウイルスまで包括的に説明するコミュニティ論である。
立派だ。



ニューズウイーク(日本語版 2017年8月8日号)
癌は細胞の先祖返り」新説は癌治療の常識を変えるか
2017年8月1日(火)16時44分
ニューズウィーク日本版8月1日発売号(2017年8月8日号)は「癌治療レボリューション」特集。癌研究・ケアの現場で標準治療の殻を打ち破って新たな道を切り開く、常識外れの「革命家」たちに迫った。本記事は、特集の1記事「宇宙研究者が挑む癌のミステリー」を一部抜粋・転載したもの>

既存の癌研究の問題は明らかだと、宇宙の起源や地球外生命体についての研究で有名なアリゾナ州立大学(ASU)のポール・デービーズ教授は思っている。「金を費やせば問題を解決できると思い込んでいる」、つまりカネはつぎ込まれているが、知恵が足りておらず、その結果として癌は多くの謎に包まれた病気であり続けているというのだ。

理論物理学者のデービーズは、癌研究では「よそ者」だが、従来の考え方より優れたアプローチを見いだしたと主張している。「知恵を使えば、問題を解決できると思う」

デービーズは数年をかけて、癌のメカニズムに関して大胆な仮説に到達した。癌は、複雑な生命体が登場する以前へと進化のプロセスを逆戻りする現象なのではないかというものだ。この仮説によれば、癌になった細胞は、10億年前の地球に多く見られた単細胞生物のような状態に「先祖返り」する。

興味を示す研究者もいるが、ばかげていると切って捨てる研究者のほうが多い。人間の細胞が藻やバクテリアのような原始的な形態に逆戻りするという仮説は、多くの科学者にとって、あまりにとっぴに思える。
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早速注文した。

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今の治療のコンセプトは基本的に「理解できないから排除」という考え方である。
理解できないものを病気だから排除するというのは医療の方向を決める最も基本部分にあるメンタリティである。

一旦自分がそうなってしまったら排除されるのである。
もっと辛いのは、自分から隠れてしまうことである。
トイレで自分からインスリンを注射するようになる。


しかし、それでは救えないものもある。
僕は救えない方に入っている「糖尿病患者」である。
「糖尿病のゾンビ的恐怖」って言ってわかるだろうか?


医療において、コミュニティ論は必要だと思うのだが。


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