生命のM&A(2) 筒井康隆さんの小説で確かあったと思うのだが。

生命のM&A(1)はこちら

幾度も引っ越しをして、本を片付けて来たが、捨てた本は数が少ない。
特に筒井康隆さんの本は常に手の届くところにあった。

しかし、数が多すぎる。

「生命のM&A」という記事を書いている時に、異生命との接触した人類がカルチャーショックを受ける短編があった。
死体を火葬することを残酷だといわれるシーンがああった。
確か初期短編で、ハヤカワ文庫で読んだ気がする。

高校生か中学生だったかなあ。
大変面白かった。





せっかく作り上げられた有機体のコロニーを無機物に戻すことは無駄だと怒られるのだ。


「鳥葬」とか「土葬・水葬」などは誠に良いことである。
そこまで作り込まれた有機物がよりうまく再利用されるのだ。
また、うまくすれば遺伝子の進化にも寄与する可能性もある。




生命が単独で存在できないように、DNAも単独では存在し得ないのである。
「免疫」と言う生命の機能は決して自分(を形作るDNAを持った細胞)自身のためにあるのではない。
身体というコロニーを維持するために機能しているのだ。
時には自分を攻撃することもある。
それは病的なことではなく、通常の昨日なのだ。
問題は自分自身の状態が「病的」になっていることなのだ。





確実だと思っていた「自己と他者」その境界線は確実にぼやけてきている。
現実の社会でも、社会自身が生み出している貧富の差、テロ問題、いずれも自己と他者の問題である。

実に哲学的な問いかけである。


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