幸運な病のレシピ(4) 晩御飯、汁とレバーのオーブン焼き

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晩御飯である。
おおよそ30分で汁と、お皿が出来るので食べ始められる。
息子の食事には足りないので、肉を焼いたり、もう少しパンチのあるおかずを作る。
妻が仕事で遅い日には、帰ってきてから2人で食べることが多い。



出来るだけ沢山の種類のタンパク質(肉と魚)を食べる。
料理のときには、分離された油をできるだけ使わない(フライパンに油を敷かない)で、食材からの脂肪を逃さない(パイ皿でオーブンを使う)。

私達の身体は水分を除くとタンパク質と脂質が50%づつで構成されている。
炭水化物はわずかしか存在しない。
植物の体がほぼ100%炭水化物なのに比べると大きく違う。

体内に入った炭水化物はその瞬間に使われない場合(注1)即座に肝臓で中性脂肪代謝される。脂肪は満腹を感じさせるメインプレーヤーなので、炭水化物で手早く満腹になる。
早過ぎる満腹は必要な食事からは程遠い。

このプロセスこそが、生活習慣病の生まれる元である



つまり、40歳を越えて、若い頃と代謝の形が変わったると、炭水化物は脂肪なのである。





多彩なタンパク質が重要である。
父は刺し身が好きである。
朝の豚と牛肉が残っているので少しずつ盛る。

数の子と、レバーとモツを少しずつ盛る。
イワシの開きは4枚セットの割引ものを買って、一日1枚づつ焼く。
頭とか骨の多い所は僕が食べてできるだけ骨のない所を取り分ける。




汁は、野菜が多いと美味い。

季節の物をできるだけ使うようにするが、具材のバリエーションは限られてくる。

牛肉が少し使い牛鍋をイメージする。椎茸に鳥のひき肉を詰めて、長ネギと焼き豆腐である。
白菜は1/4カットが150円くらいなので3回位に分けて使う。

こちらも十分なタンパク質を使い、油を逃さない。味付けは醤油のことが多い。
何よりも美味しくないといけない。




小皿におかずがのっている。
この小皿は、父が適当に余った(余した)おかずを取り分ける。
毎日夜中(11時とか)に一回トイレに起きて、その時にコップ一杯の寝酒をする。
母がなくなる何年も前からの習慣である。何度も母に聞かせられた。

朝遅くて、2食の事が多く、その分の生活時間の移動である。
悪いことだと言われるが、これは仕方がない。

チョコやまんじゅうや缶詰をツマミに酒を飲むよりは遥かにいい。

言葉で禁止した所で何の意味もない。
酒でなければ癒せない父の心の辛さが問題なのである。
彼の心には何が去来する?
僕の心には?

時折、2時とかに起きているので様子を見に行く。仕事の資料を取りに来たとか理由をつける。

見ても面白くないだろうに、テレビの通販番組を見ている。一人で生きるのは辛いだろうなあと思う。

僕と妻にもやがてくる日なのではあるが。



朝行くと台所には使われたコップと、食べ終わったお宮への皿がのっている。
箸とコップは洗い、皿は持って帰る。
父の家の恒常性維持である。



酒がストックされている。
緊急事態用に焼き鳥の缶詰がある(笑)。

酒が進むと、ツマミが足りなくなって、時々食べているようである。



お菓子も買ってある。
昔からの馴染みの和菓子屋さんに買いに行くのは夕方の散歩(東コース)の目的ともなる。
駅前コースでは、駅前の料理屋でビールを飲んで返ってくる。
驚異の88歳である。



数日前の土曜日、朝7時にコンビニで父のサンドイッチをかった。
その時にレジを待っていた70歳位の方のかごを見たら、缶酎ハイ500mlが3本とおにぎりが6個である。
圧倒的にタンパク質が足りない。
スーパーのレジで並んでいる人のかごを見ることなく見ていると、憂鬱になることが多い。

この項目は続く




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注1 : その瞬間に使われない場合
ブドウ糖は、血液内に取り込まれた時に代謝される。
最優先の代謝経路は肝臓に貯蔵される(10時間分=100g程度)。
この貯蔵されたブドウ糖グルコース)は低血糖防止のために使われる。
生命は低血糖ですぐに死ぬので、この貯蔵は最優先となる。

運動をしている時は、インスリンの許可がなくとも、筋肉組織はブドウ糖を取り込む。
捕食者に襲われた時に逃げると考えればいい。時火事場の馬鹿力である。
この機能が優秀でないと死んでしまう。

運動をしていない時に、恒常点(セットポイント)以上に血糖値が高くなった時は
1)筋肉組織に取り込まれて備蓄(即座に使われる形)される(一定量まで)。
2)脂肪組織に取り込まれて貯蔵(利用するために一回ブドウ糖を経由する形)される。

余談だが、ブドウ糖代謝の最大の利用法は、細胞内の恒常性の維持である。
決して運動のための燃料ではない。
多くのダイエット本ではここが間違えている。
また老人の食事や健康に対しての考え方でもここが間違えのもとである。

とにかく炭水化物は、体内で脂質に代謝されて、満腹感を与えるためにそこで食事が終わってしまう。
そのために、タンパク質(必須アミノ酸)や脂質(必須脂肪酸)の摂取が足りなくなる。

「満腹の栄養失調」状態こそが私達の人生の終わりに生活習慣病をもたらせている。


炭水化物を最後に食べる。
できれば、魚肉から食べて満足して、食べないほうがいい。

炭水化物は脂肪に変わるのだから。


結局、ダイエットの問題は「満足とは何か」ということである。
そして、人生は我慢大会ではない

そして、心がどこにあるのかという問題でもある。

次の本の主題である。