インシュリンは血糖値を下げると言う表現は止めたほうが良い

糖尿病学者の私としては、一般的に言われている「インシュリンは血糖値を下げる」と言う表現は間違えていると思っている。

あくまで、脂肪細胞と筋肉細胞に血液からブドウ糖を取り込めと指示しているだけなのである。無論結果としては血糖値が下がるのであるが..............。
その指示を受けて細胞がブドウ糖を取り込むから下がって見えるだけである。

肝臓でためられた「ブドウ糖」が放出されれば血液内のブドウ糖濃度は上がる。
60兆個のすべての細胞にエネルギーの元を配布するために、食事やその他の方法で血糖値を上げて、取り込むように命令を出す。

僕らの人生はこれの繰り返しなのである。

血糖値自己測定を皆に知ってもらいたいので、こんな文書を書いた。
血糖値自己測定に関しての注意事項.pdf 直
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ブドウ糖」は人体の60兆個の細胞のエネルギーの源です。大変重要なものなので、「脳・肝臓・腎臓・血液」の様な重要な臓器(止まるわけにいかない臓器)の細胞では常に取り込まれ、消費されています。
不足した場合は、肝臓でタンパク質を分解(糖新生)したり(脂肪細胞に)貯槽されているエネルギー元(ケトン体)を放出して使います。

「筋肉細胞・脂肪細胞」は体の中で非常に大きい部分を占めているので、勝手に取り込みを始めると、重要な臓器で使われる分のブドウ糖が足りなくなってしまいます。その為に、「筋肉細胞・脂肪細胞」は取り込むように指示された時だけブドウ糖を取り込みます。

インシュリン」というホルモン(タンパク質で細胞の間での情報の伝達を司る)が取り込むように指示する役割をします。
インシュリンは、ブドウ糖が血液中に多くなった時に、膵臓(スイゾウ)から血液中に放出されて、筋肉細胞と、脂肪細胞に「ブドウ糖」を取り込む様に指示します。その結果血糖値は低下します。

「筋肉細胞」は、細胞の中に小さな貯蔵庫を持っていて、それが満タンになるまで取り込みます。満タンになると筋肉細胞は取り込むのを止めます。
「脂肪細胞」は、いくらでも入る貯蔵庫を持っています。そして、いざという時のためにブドウ糖を脂肪の形に変えて保存します。脂肪は、ブドウ糖から作られるのです。インシュリンが肥満ホルモンと言われる理由です。
ブドウ糖インシュリンが血液中に流れている限り「脂肪細胞」は、ブドウ糖を脂肪の形で貯蔵するのです。

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