糖尿病雑感 境界型糖尿病というおかしな名前
グレッチェン・ベッカーさんは 大変素晴らしい本を書いている。
- 作者: グレッチェンベッカー,Gretchen Becker,太田喜義
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 単行本
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この本の中で、『境界型糖尿病( Borderline Diabetes)』と言う呼び方が間違いを生んでいると断じている。
P129『膵臓のβ脂肪を保護する』
彼女は言っている、「境界型の『癌』」って有るだろうか?」(『癌もどき』は除く)
あくまで初期の癌であって、これから大きな問題を起こす事が分かっているのである。
境界型糖尿病も本来、「糖尿病」として、深刻に受け止められなければならないと断じている。
2型糖尿病の発病のプロセスは『肥満型』と呼ぶべきパターンが有る。
これは、高炭水化物の食事を続けることで発生する。
多すぎる「ブドウ糖」はその量にあったインシュリンを膵臓のβ細胞に分泌させる。
β細胞にとって「ブドウ糖」は『糖毒性』があり、高い血糖値はβ細胞を殺す。
そこで、インシュリンを分泌して、多すぎる糖を細胞(脂肪細胞で保存、筋肉細胞で利用)に吸収させようとする。
インシュリンが肥満ホルモンと言われる所以である。
大事なことは、肥満は結果であって原因ではないということだ。
糖尿病の根本的な原因は、あまりに多く、手軽に、安くカロリーを摂取できる炭水化物に満ち溢れた環境である。
そんなヒトの嗜好を金儲けの材料にしている企業があるのだ。
ブドウ糖に中毒になりがちなヒトは、グローバルなアグリビジネスにとって格好の標的である。
一旦、肥満(筋肉組織と脂肪細胞の比率が脂肪細胞が多く)するとインシュリン抵抗性がまして、ますます血糖値は高くなる。
この時点からは、肥満が大きな要素を占めるようになる。
肥満が進行すると、ますます「炭水化物」を摂り続ける。
かつて(1960-80年代)の、脂肪を減らすようなガイドライン(政府の食事指針)は、脂肪を減らした。
そしてその代わりに砂糖を増やした。
当時の考え方は高脂肪の食事が肥満を生むというものであったが、間違えていた。
砂糖こそが、ブドウ糖を経由して、脂肪となのであった。
やがて、膵臓は疲れ果てて摂り過ぎた炭水化物を取り込むのに十分なインシュリンを出せなくなる。
この状態が長く続くことで、糖尿病の発病したと言われる。境界線を超えたということである。
しかしながら、すでに発病していた病気が初期段階を超えたということでしか無い。
しかし、境界線と言われた時に自己血糖の測定を行い、適切な食事(糖質の制限)と運動を行えば、膵臓が疲弊することはない。
ところが、その時点での治療は金にならないのである。
また、「糖質制限」と言う考え方を(日本の)糖尿病学会は認めていない。
しかし、なぜ、「境界型」などという用語が使われるのだろうか?
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