昔、鬼畜米英、今、イスラム国(1) 杉本祐一さんのパスポート没収

杉本祐一さんのパスポートが没収された。

実に偶然なのだが、杉本祐一さんとお会いしたことがある。
実に誠実で素晴らしい方だ。

ニュースを知って驚いた。頑張っていただきたい。



戦場ジャーナリストは戦争の真実を伝えてくれる。戦争の犠牲になるのは常に私達市民であることを伝えてくれる。

そしてその行為は「国家を敵に回す活動」なのだ。だから嫌われる。


イスラム国で生きている市民の人々も私達と同じ人間なのだと感じる事こそが重要なのだ。


残念ながら、「敵がおまえを殺そうとした時にそんなことを言えるのか」と言う議論はまっとうである。
僕だって、家族を殺されそうになった時

大事なことは、複雑に絡み合ったのコミュニティの価値が衝突した時に、そこまで関係性を悪化させない方法はないかということである。






まさに、「イスラム国」は悪魔の集団で、ならず者でテロリストだとマスコミは言う。

テロリストという言葉を僕は嫌う。
「人殺し」だというべきである。

先に日本人が2人人殺しに殺された後、空爆で1000人イスラム国の人が殺されたそうである。
(人を殺すのだから、その殺した人も人殺しである。)
無論、殺されたのはテロリストだから良いことなんだろうが........

その町の写真はまるで瓦礫の山である。


その町を取り返したのは「クルドの勇士」なのだそうだ。
そして、ISILの報道を見るといつも考えることがある。

一つには、国とは何かという事

スペイン動乱と呼ばれる出来事があった。
すでに忘れ去られているかもしれないが、フランコ政権に対して異を唱える人々が世界各地から義勇軍として参戦したのである。ヘミングウエイ「誰ために鐘はなる」とか、キャパの写真などでも知られている。

僕らは、あの義勇兵の物語を自由を守る戦士として見るが、ナチス側(フランコ政権)から見たら、まさにゴキブリのようであろう。

ISISの自爆テロを行おうとした女性の死刑囚を「テロリスト」と呼ぶのは簡単だが、彼女は家族を殺されて、テロリストになったのだ。

生まれながらにして殺人者となるヒトは少ない。それなりの理由があるのだ。





もう一つは、クルド問題である。クルド問題は民族自立の問題である。

ユルマズ・ギュネイの『路 (yol)』と言う映画にはトルコ軍がクルドの独立派の兵士を殺してトラックに乗せて村々を回るシーンが有る。その村に潜んでいるゲリラの親兄弟を殺すためである。
トルコはクルド兵に化学兵器を使ったが先進国は無視をしたはずである。


それぞれの国は抑圧された人々による独立運動を極端に嫌う(場合が多い)。
それはアタリマエのことである。

嫌うことは問題では無いのだ。その嫌いな相手とともに生きることが出来るかということが重要である。
しかし、戦争は、「武器の生産者=兵器売りたい人々」に取っては売上を維持するための大事な市場である。

アメリカの銃規制が進まないのと同じ理屈である。


時に思う、「イスラム国」の人々は何をその価値としているのだろうか?
世界から、イスラム国に向かう義勇兵の人たちがかつて属していた国には無い価値をそこに見出しているのだろう。

果たして、イスラム国は消えてしまうのだろうか?
それとも、「イスラエル」のように国として認められるのであろうか。




国とはその土地に起因する生産から税金を集め、国民のためにそれをインフラに投資すること。
共通の価値を持ちそれに反した人間に対して「処罰、報復」し、その価値を守ること。

この2点が見いだせたら、それは国である。

メキシコを見ると、彼の国には2重に国家があるように感じる。
麻薬カルテルの維持する国家ともう一つの国家である。

フリーメンソン、バチカンというような価値も、同じ現象を起こす。

コミュニティ理論からすると結構面白い。


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シリア渡航を計画、カメラマンに旅券返納命令 外務省
2015年2月8日00時11分


 外務省は7日、シリア渡航を計画していた男性に対し旅券法に基づいて返納を命じ、男性から旅券を受領したと発表した。返納を命じた理由について、同省は「隣接国を経由してシリアに渡航する旨を表明しており、警察庁とともに渡航の自粛を強く説得したが、意思を変えなかった」などと説明している。

 同省が名義人の生命保護を理由に旅券の返納命令を出すのは初めて。旅券法19条は、「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」は、外相などが名義人に旅券の返納を命令できると規定。同省は同法に基づいて「緊急に旅券を返納させる必要があると判断」したとしている。

 旅券返納を命じられたのは、フリーカメラマンの杉本祐一さん(58)=新潟市中央区

 杉本さんによると、今月27日から取材などのためにシリアへの入国を予定していた。外務省は杉本さんに対し、返納を命じた理由について、シリアへの入国を計画している▽シリアでは日本人2人が拘束、殺害されたとみられ、過激派組織「イスラム国」は日本人に更なる危害を加えると宣言している――などと説明したという。同省職員が7日、杉本さんの自宅を訪れ、直接旅券を受け取ったという。

 杉本さんは同日、朝日新聞の取材に返納の事実関係を認め、「今夜、外務省旅券課の職員が来て、パスポートを持って行かれた。(憲法が保障する)渡航報道の自由はどうなるのか。突然のことで困惑している」と話した。



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