安藤美姫さんバッシングと「ガープの世界」と千葉すずさんと「堕落論」

社会は、常に制度(既得権益)を守ろうとする。

結婚という制度を守ろうとするのは、「間違い」とか「正しい」という議論を超えている。制度を守ろうとする人々にはそれ以外の道が見えることはない。
宗教のようなもので否定も肯定も意味が無い。今までの人生が制度を守ろうとしているのだ。

そして彼らはその制度を否定するような存在は許すことが出来ない。

安藤美姫さんの行為は、まさに「結婚」と言う制度に対しての批判と映るのである。

私達の身の回りには子どもの男親を明かさないで子どもと生きることを選んでいる女性が多くいる。
理由は様々である。僕は、彼女たちの人生に対しての真剣さが好きだ。

高校生で、子どもを産んで、結婚せずに育てることを選んだ女性。
僕はそんな人生を選んだ女性を尊敬する。
僕には出来ないかもしれない道を選んでいるのだ。

世の中の人は、なぜ中絶しなかった、養子に出せばいいとかんがえるだろうが、それは、傍観者の怯懦の心である。
苛酷で辛い人生を選ぶ勇気のないフツーの人の心である。

僕は「堕落論」が大好きである。
制度の中で生きる私達は、常に制度から逃れる生き方を求める。
そしてそんな人々が新しい制度を生むのだ。

考えてもらいたい、「離婚」が許されない社会も広く世界にはある。今の私達の世界は制度として「離婚」を認めている。そんな風に社会を変えていくのは、社会に対して自分の感じたことを(行動で)伝えていく勇気のある人々なのだ。
(離婚を認めないと言う一点だけでその社会が悪いとは思わない。社会は異端者が変えていくという例である。)

社会活動は、オルタナティブな生き方を伝えようとする行為である。
彼女の人生は、まさに、組織に属さない(その必要のない)社会活動である。



ガープの世界」と言う映画では、「子どもと共に生きる事を選んだ女性と息子」の人生を描いている。
そんな映画を見て感動する僕の心には何が浮かんでいるのかなあ。
ガープな母に「I never needed a father !」と叫ぶ。
ヘリの音でその声は母に届かない。
何度見てもそのシーンで涙が止まらない。

ああ、ロビン・ウィリアムズさんも亡くなったんだよなあ。





「千葉すずさん」と言う人を覚えているだろうか。僕はかつて、webでこんなことを書いた。

2000.8.6千葉すずさん、頑張ってくれてありがとう。どんなに孤独で辛かっただろうか。長いものに巻かれてはいけない!!労働組合の委員長だったとき、親会社がまるでゴミを扱う様に僕らを扱ったとき頑張ろうと思ったとき、僕は孤独だった。それを思い出した。不正に対して異を唱える勇気を持つこと。あなたの戦いは僕に勇気を与えてくれた。麻菜があなたの様に勇気と力を持った娘に育ちます様に。そして、あなたの健康と幸せを祈ります。

彼女は、その時点で属していた団体(水泳協会)が公平でないと感じて、組織に対しての内部告発を行った。
とても勇気がある。
そしてもっと面白いのは彼女に対しての反応である。
「昨日の千葉すずの特集見ました? 物凄く感じの悪い人でしたね。精神年齢が、物凄くガキっぽく感じましたわ。」

このスレッドなどまさに「長いものにまかれろ・お上は間違っていない病」の典型であろう。
ああ、自民党政権もさもありなんである。


千葉すずさん、今何してるんだろうかねえ〜



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