コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学 僕がシステムエンジニアを目指した頃に読んだ話 mixiから引越し 2006年09月23日 21:38


もう何冊買ったことだろうか。
いつも友人にあげてしまうので僕の家には品切れの状態である(笑)


1990 共立出版 G.M.ワインバーグ, 木村 泉, ジェラルド・M・ワインバーグ

ワインバーグ先生の本を読み出したきっかけは、もう忘れてしまった。
けど、この本が最初だった事は良く覚えている。

初めて読んで以来何冊も買った。
読んでもらいたい人にすぐにあげてしまうのだ。とても良い本である。

冒頭にある『コンサルタントの定義』がとても面白いので少し引用してみる。

>>>>>>> コンサルタントの秘密 まえがき iv より<<<<<<<<<<
....だが私はたいていのときは、その非合理性に耐えられる範囲内において、依頼主との直接のやり取りを楽しみにして来た。私がこの業界にとどまるためには、選択の余地は次の二つしかないように思われた。
1、合理的であり続け発狂する。
2、非合理になって気違いと呼ばれる。
長年に渡って私はこのみじめな両極の間を行きつ戻りつして来た。そして私はついに第三の道がある事に思い当たった。それは、
3、非合理性に対して、合理的になること
だった。
この本は影響してくれと言う要請をめぐる、一見非合理的な行動にひそむ合理性に関しての、私の発見を述べたものである。それがコンサルタントの秘密である。この表題から見てこの本はコンサルタントの為の本だと言う感じをもたれる向きも有るかもしれないが、実はこの本はこの非合理な世界の中で混乱し、それについて何かをしたいと思っている全ての人の為の本なのである。.....................

>>>>> 引用ここまで <<<<

この本のそこに流れているのは人間に対しての信頼と奇妙なペシミズムとオプチミズムの調和である。
様々な事例が挙げられている。そこに有るのは人間の愚かさや非合理性である。そしてそれは。適切な解決を導きだす為の一見したところ「非合理な」アクションなのである。

他者の状況を理解する事は難しい、そして、ほとんどの場合、それ(他者の状況)は非合理と見える。
そんな世界に生きる僕らにはとても嬉しくなってしまう一冊である。

深い、人間に対しての洞察力を感じさせてくれる本である。

ワインバーグ先生の本は沢山有るけど、この本はコンピュータ関係以外の人にもお勧め出来るのだ。

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