著作権がらまりで、中山信弘教授が最終講義 : mixiから引越し2008年03月04日00:00

ちょっと著作権の事を調べたくなって、ミクシーから持ってきた。
僕は特許・著作権という考え方は戦争の省エネと考えている。


以下昔ミクシーに書いた内容を引用

凄く良い講義だった様ですね。

僕も聴きたかった。

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先進国が『特許や著作権』というあたかも当たり前の権利の様な顔をして途上国から多くの富を搾取している事をキチンと指摘していらっしゃる所で少し泣いた。


素晴らしい事だ。
法律はあくまで最大多数の幸福を目指すべきで、一部の人間の利益の為に有るべきではないのだ。
それを感じる事の出来る心は素晴らしい。

今世界のどこかで、誰かが悲しい思いをしている事、そしてその世界の仕組みを変えることができるのか考えて行ける事。

そんな心を持ってるのは素晴らしい。文学である。

人々を不幸にするのでは無く幸せにする事を目指すのが法律なのだと信じたい。

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前にこの日記で書いた事が決して間違えでないと思い、嬉しかった。


しかし、『昔軍隊、今特許』とは凄い言葉だね。 (「昔戦争、今特許」と紹介していました)



http://homepage.mac.com/benli/iblog/C391723277/E1910899630/index.html
http://mshouji2.cocolog-nifty.com/makolog/2004/01/post.html



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ここを持って来ました。リンク切れると、悲しいので.............
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080122/291767/?P=1&ST=ittrend

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知財法の権威、東大の中山信弘教授が最終講義】


 知的財産権法に関する研究の第一人者として知られ、知的財産戦略会議や文化審議会などの委員も務める東京大学中山信弘教授が、2008年3月末で東京大学を退職する。同氏の最終講義が1月22日に行われ、同氏が教鞭を振るった約40年間における知財をめぐる環境の変化、知財法制や人材育成などに関する今後の課題などを説いた。中山氏は4月以降、西村あさひ法律事務所顧問として引き続き知財関連の業務に携わっていく予定。

40年前の知財法は「諸法」の1つだった

 中山氏は東京大学法学部を卒業後、1969年に助手として東京大学に就職。学生時代に師事した教授の下で著作権法の書籍の編集作業を手伝ったことがきっかけで、知財法に興味を持ったという。以来、一貫して知財法を専門としてきた。「当時は、知財法がドイツ語の直訳で『無形財産権法』と呼ばれていた時代。独占禁止法などと共に『諸法』と位置付けられていた。1973年に無形財産権法の専任の助教授となった際も、小さな教室で学生も20人に満たなかった。何をどう教えるのかも手探りで、今思えば当時はひどい授業をしていた」と当時を振り返る。それは取りも直さず、「専任の教員さえいない状況から、中山氏が知財法という分野を切り開いた結果、現在ではどこの大学も知財法の授業を設けるようになり、多くの学生が集まる人気科目になった」(東京大学法学部長の井上正仁氏)ということでもある。

 中山氏は、ここ数年のパソコンやインターネットの普及により、知財をめぐる環境が大きく変化していると指摘する。その一例として挙げたのが、Linuxなどのソフトウエアで見られるオープンソースというライセンス形態と、クリエイティブ・コモンズ(CC)に代表される意思表示システムである。「従来の常識では、創作者に情報の排他的利用を認めることが情報の創出を促すとされていた。しかしオープンソースやCCは逆に、情報を独占ではなく共有することで発展させるというものだ。情報を独占する世界は厳として存在し続けるだろうし、情報を共有しようという考え方も広まり始めている。今後両者は、契約(による二次利用の許諾)という手法を介して併存するだろう」と中山氏はみる。

創作者の権利保護だけでなく、社会全体の利益との調和を

 また、知財をめぐる関係者の顔ぶれが変わったことも、ここ5年ほどの重要な変化として挙げた。「従来は権利者側だけだったが、情報を扱う機器のメーカーも、すべてのユーザーもプレーヤーとして登場した。そのことを印象づけたのが、2004年に起こった海外向け邦楽CDの還流(逆輸入)禁止の動き。当時のネットユーザーたちから、著作権法の改正に対する反対の声が巻き起こり、ネットユーザーの力をまざまざと見せつけられた」と回顧する。

 日本では、小泉内閣の発足以来、知財に関する法改正や新設が急速に進められてきた。ただし、それらには課題もあると中山氏は指摘する。「ここ5年ほどの法整備は、いずれも知財強化の流れ。とりわけ著作権ではそうした(知財強化の)傾向が強い。著作権は、声なき一般ユーザーから権利者へ財を移転する仕組みである。創作者の権利が強ければ強いほど良いというものではない。創作者の権利と消費者の利便性の確保が不可欠。権利者の利益だけでなく、社会全体の利益との調和点を探ることが必要だ」と語り、さまざまな形で著作権法による保護の強化を訴える権利者側の動きを戒めた。

 そして、「インターネットとデジタル技術による社会の変化に著作権がどう対応するかが今後の課題となる。著作物が増え、プレーヤーが増えたのだから、ルールの変更の要求が出るのは当然。この流れに法制度は十分対応できていない。これは日本だけでなく、世界の著作権制度が抱えている課題だ。技術が今後どう変化するかも分からず、学会も解決策を提示できていない」との見方を示した。

「先進国クラブ」の知財、途上国との折り合い考える必要

 今後に向けた知財政策の課題として中山氏は、知財をめぐる先進国と発展途上国との相克について触れた。「サイモン&ガーファンクルは、ペルーの民謡を元に『コンドルは飛んでいく』を発表、世界中で大ヒットとなった。これに対し、ペルー側から著作権を主張する声が出ている。伝統的な知識や風習は、現在の著作権体系では保護の対象外とされるのが通説だ。それに基づけば、サイモン&ガーファンクルには何の問題もない。だが、『コンドルは飛んでいく』のヒットにより米国の財産は拡大したが、ペルーには何ももたらしていない」と疑問を呈する。近年の新薬開発でも、「途上国はDNAを提供しながら、新薬の権利は先進国の製薬会社に独占され、発明による恩恵を途上国が享受できないでいる例がある。アフリカではエイズ治療薬が高価すぎて買えず、『命と特許、どちらが大切か』との声が挙がっている」と指摘する。

 中山氏は「『昔軍隊、今特許』と言われるように、先進国が途上国から略奪する手段として知財が使われてはいないか。こうした途上国の声を無視することはできず、どこかで折り合いを付けなければいけない。21世紀の知財のあり方において、途上国問題は大きな影響を及ぼすだろう」との見解を示した。

研究者だからこそ、実務と離れて新たな法体系の研究を

 大学を始めとする知財法の研究機関に対しては、現行の知財法体系を全面的に改めるような新体系の模索など、長期的な視野に立った研究が必要だと力説した。「知財が社会的に重要な財となり、実務と研究の関連も緊密になっている。実務ももちろん重要だが、研究者は研究者にしかできないことを追求すべき。研究者の仕事は、実務家と違いすぐに役立つ必要がないという特権がある。特権を生かさず、実務に埋もれてはいけない。体系的な思考が望まれる。今の大学は実務者教育に舵を切っている。それもいいが、時流を超越した研究も必要だろう。学生教育も同様。賞味期限の短い即戦力より、賞味期限の長い未完成の人材の方が重要になるだろう」とのメッセージを残した。

 教室には法学部の学生のほか、知財関連の業務に携わる企業や政府機関の関係者も数多く来場。温厚で分かりやすい語り口で知財制度の今後に向けた考えを語る、中山氏の講義に耳を傾けていた。


■変更履歴
第1段落に、中山氏の4月以降の所属に関する記述を追記いたしました。 [2008/01/23 13:45]