仕様探求の旅に出かけよう(7):「要求仕様」ではなくて画面部分の納品なのだ。

4/10に仕事がスタートした。
打ち合わせをして、色々な話し合いをした。
5/25にモックを上げて、相手会社全体にそれを見てもらう進行にした。
5/29に会社全体に対するレビューが行われる事になった。


今回は、あなたのソフトはこうなるぞ!完成品もこの画面だぞ!
と言うものを作った。

考えてみると、これは「試作品=mok」ではなくて、「製品」なのだ。
納品の一種と考えて良い。

今のこの時点から、色々な開発者が一気に開発を始める。
出発点なのだ。

『全体共通認識仕様書』と呼んだのはそんな意味が有った。

そう考えると色々な事が解けてくる。


アジャイルは頻繁なコミュニケーションをその本質とする。
また、頻繁な納品サイクルをその特徴とする。
当然テストを繰り返す事になる。
お客さんは常に(1週間くらいのサイクルで変わって行く)ソフトを見る事ができる。
当然、フィードバックも頻繁な物となる。



リリースの記録を見ると、

4/20-5/10手で書いた紙の上の画面で担当者と話し合う。
まずは10日で50近い画面を絵で書いてブラウザで見れる様にした。

1)5/21:大まかな画面の流れが出来ているが細かいフィールドなどが出来ていない
  画面に必要な機能からボタンを配置して、一覧と詳細の組み合わせを考える。
  機能にたどり着く道筋が見える事が重要。

2)5/24:全ての画面のフィールドが入る
  テーブル構造が決まって来たのでフィールドを入れる。

3)5/27:いくつかの議論の結論を出して変えた
  ややこしい画面(システムで違うが、多くの場合3-4画面である。業務の難しさが反映される画面である)

4)6/8:大幅にインターフェースを変えた
  何度も通して見ていると気がつくことが有る。また、29日のフィードバックが入る。

5)6/11:CSSの担当者と打ち合わせて最終案を出すことにした。
  ここでまた変わるが、重要である。実装の担当者と話して、難しかったり駄目な問題はスキップする。

この間にも沢山の変更をしている。

これをソースでは書いていないのだ。

絵で書いている。
だから惜しげもなく変えられる。




アジャイルラクティスにはトルコの諺が引用されている。
『どんなに遠くまで進んでいても、道を間違えている事が分った時には引き返せ。』


確かにそのとおりである。

それは人生にも繋がる。

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