糖尿病の食事学(6):ナスのトロトロ煮/血糖値の高い飢餓状態/耐えられる空腹とたえれない空腹

小さい頃、オフクロが作ってくれた料理である。
ナスと、タマネギと豚肉を炒めて、スープで煮て片栗粉のトロミを付けるのである。
トロミがついている料理は始めてだったから、お店に行ったみたいで嬉しかった。

僕は大好きだった。
もう母も年をとって作る事はなくなったが、僕は時折作る。


野菜を多く使うコツは段階的に入れて行く事である。
熱を加えるとガサが減るから、多く入れられるのである。

今回は、そこに野菜をたくさんいれて、中華の鶏ガラのダシを使った。

オフクロのトロトロ煮はナスがほとんどで汁が多い。
ちょっと違ったなあ。
八宝菜に良く似ている。



ご飯は少し残す様にする。この入れ物で200gである。
この皿で2皿分を食べる。




用意万端である。順番に入れて行く。
豚肉が200gであとは野菜である。
残り野菜が沢山入るのだ。キャベツも入る。


何度も、食事指導を受けたことが有るがその度にこれは違うなあと思っていた。
特に『私も、太りやすい体質なんだけど我慢している』と言う様な発言を聞くと馬鹿にするなと思うのだ。
裏を返せば、『お前は我慢が足りないから食っちまうんだ』といっているのだ。
これは嘘である。馬鹿にするんじゃないよなあ!!人事だと思いやがって。

医学に従事するならば、精神論で片付けてはならない。


体は正直なのである。
適切な栄養が入っている食事をとらないと満足出来ないから空腹感が来る。
この時の空腹感は我慢出来ない物だ。
僕も毎日牛丼を食っていた時には、おやつも食うし、コーラも飲んだ。

1 いくら食っても糖分以外の必要な栄養素が入ってこないから細胞は焦る。
2 どんどん意識に空腹の信号を流す。
3 また食うが、その食事の中には充分な栄養素が入っていない。
4 ますます空腹になる。

この繰り返しなのだ。
『血糖値の高い飢餓状態』が呼び起こす空腹。これは耐えられない。


逆に、野菜や肉、魚を多くとってご飯類を少なくした時に感じられる空腹は我慢出来る。
この空腹感は、体脂肪が燃えている証拠なのだ。
糖分が足りない状態は我慢しても命に別状はないのだ。

タンパク質の欠乏、ビタミンミネラルの欠乏は体にとって決定的な問題を引き起こすから我慢出来ない(様に体は出来ている)。

ほぼ1ヶ月で体の多くの部分は新しい部品(食事からとったもの)に置き換えられる。
人の体は、走りながらメンテナンスしている蒸気機関車だと思えば良い。

1 意識(食事をとる主体)が駅長だとすると、細胞から信号を送るのは車掌である。
2 車掌は駅長に空腹と言う信号しか送れない。駅長は機関車の中の状態は分らない。車掌から来る信号を判断して必要な物を機関車に送る(食事をとる)
3 走っている機関車では、メンテナンスの為にネジや網棚、窓ガラスが足りなくなって、車掌は駅長に空腹を送る。
4 意識(駅長)は、空腹なのでドーナッツや牛丼を食う。手軽に満腹になるのである。送られてくるのは『石炭(糖質)』ばかりである。
5 機関車は石炭で溢れかえる(客室にも石炭は山積みになる)
6 所が、大事なネジは入ってこない。
7 ますます車掌は駅長に空腹を送る
8 この繰り返しである。


メンテナンスに必要なネジが入ってこない為に起こるのが『併発症』である。

つまり、併発症とは「満腹なのに起こる栄養失調』であり、『肥満している栄養失調』なのである。

充分メンテナンスされた機関車になろうよ!!

食事指導の限界は、実際に料理を作って調理方法を教えられない所にある。
いくらカロリーが低くて体が満足する食事を取りな際などと言われても、どうすれば良いか分らなかったら駄目である。
しかし、料理は科学(理屈の有る技術)だから、人に伝えられる。
何とか伝えたい物だ。

料理方法と言っても、それは食材の入手から始まって、貯蔵方法、加工方法(調理の事)、貯蔵方法みな分っている必要がある。
いつ、どのようにスーパーに行って何を買って、どう調理するのかを教えられれば良いのだよなあ。
少し考えてみよう。

丸元淑夫さんの著作の中にはそう言った物が多い。

彼の本の中には冷蔵庫の紹介から鍋の選定(ビタクラフトを勧めている)まで入っている。
徹底した物だ。

とても勉強になったが、今僕が実践している方法とは違う。
ビタクラフトの鍋は買ったけどね(いつも使っています)

自分の路を見つけなければならないのだ。




僕は子どもと良く一緒に料理をする。
伝えられる物は少ないが、一緒に料理を作った事を思い出してもらえれば嬉しいなあ。

前に手打ちのラザニャを作った。
最近小学校6年生のマークンがピザを作ってくれた
失敗もあったが、今はとても上手に作れる。
これは彼の財産である。
僕にとってもとても素晴らしい体験だ。

いつか来る日、彼と別れる時、僕はこの事を話そうと思う。




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