糖尿病の食事学(3):朝食は『うどんすき』

料理の基本的な考え方は『加熱が適切で無いと食材の旨さは出ない』と言う事である。

「うどんすき」を体験した事のない人はただの「関東で言う所の鍋』だと思っている。
実は違うのである。

その考え方のエッセンスをとらえて会社での朝食を解説したい。

1 準備:食材を皆揃える。 牛肉、鮭、キャベツ、チンゲンサイ、モヤシ、タケノコ

手早く調理するには手順をイメージして食材を揃えておく。
シュミレーションしておくのである。
いっぱい牛乳を飲んでから食事をするのでそれも用意しておく。

2 水から加熱する食材を加熱開始 モヤシ、タケノコ


モヤシは組織(細胞膜が)が熱に強いので加熱が長くても良い。
水の状態から煮る事で旨くなる。
ゆっくりと中の組織の水が加熱されて行くが組織が崩れないので美味しくなる。
炒める時はまた別な考え方で炒めるのだ。

タケノコは組織(構造体)が熱に強いので加熱が長くても良い。
構造体の間にだし汁が入って行く事でタケノコは旨味が増す。
充分組織内の温度が上がる事で旨くなる

3 牛肉をしゃぶしゃぶ 牛肉の旨味をスープに渡す

牛肉はシャブシャブであげる、長い加熱で固くなる=タンパク質の変質がありまずくなる。
最後にまた少し加熱するので赤い感じが残っていても大丈夫。

強く沸騰させた瞬間に入れてしゃぶしゃぶさせて上げる。
これが大事!!!

4 鮭を投入 鮭の旨味をスープに渡す

鮭は長く煮ても大丈夫。但しアクが出るので沸騰した所で投入する。

5 キャベツ、だしの素 キャベツとだしの素を入れる

キャベツは、組織が長い加熱に向いていないので、沸騰した状態で入れて、再沸騰するまで待つ。
基本的にはそこでOKである。
ここではだしの素を一緒にいれる。この後は強い沸騰はさせない。

基本的にスープは「関西風の白ダシ」である。
関東風の醤油の入ったスープはNGである。

充分「旨味」があるスープは血液に溶け込んで細胞に満足を与える。

5 冷凍ウドン 半分に折れる冷凍ウドンを入れる

半人前に出来る冷凍ウドンを買っておく。
今の食生活は糖質を制限する。
1食200g274kcalを半分にするので137kcalである。

6 チンゲンサイの葉 青い物は大事

チンゲンサイの茎(元の固い所)は空気が多く含まれている組織なので、煮るのに向かない。
ナスなどと同じ様に、高い温度で加熱するのが適している。

逆に葉の先の方は短い加熱が向いている。
入れたらさっとクグしておしまいである。

7 完成 美味しいのだ。

適切な加熱は美味しいものを作る。
おためしあれ。

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