チャルメラが好きなのである。

もう大嫌いな畑正憲がどんべえ物語という本の中で生物は小さい頃に食べ慣れた物を好むと言う事を書いている。

昔読んでなるほどなあと思った。

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僕はインスタントラーメンはチャルメラである。
それもスープを早めに入れて麺を煮込んだ感じが好きである。

僕らの世代は「チキンラーメン派」と「チャルメラ派」に分れる様な気がする。




幼い頃、ハラを空かせて帰ると、母がインスタントラーメンを作ってくれた思い出が有る。
酔っ払って家に帰った父がラーメンを作り、少し分けてもらった事を思い出す。


食べ物の事を思い出すと、それは幼き頃の両親の愛を感じる事が出来る。
切なく、貧しい思い出である事が多い。



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僕が料理を大好きなのは、子どもたちにそんな思い出を渡せそうな気がするから。
母の思い出の料理を、子供に伝える事、それは大変素敵である。

塩ラーメンは贅沢だった。
味噌ラーメンは好きではなかった。


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食べ終わったラーメンにご飯入れて食べるのも小さい頃の習慣だった様な気がする。

夏に海辺の浜茶屋でラーメンを頼み、食べ終わったスープにおにぎりを入れて食べた事が有る。
お店の食べ物は高いからおにぎりを持ち込むのだ(笑)。

小学校の低学年の頃だと思うが、オヤジの会社のバス旅行で角田浜に行って、会社の工場長の奥さんのラーメンの余したスープを貰っておにぎり入れて食べた。

そんな事を母は懐かしそうに話す。
既に、工場長も、奥さんも遠い所にいってしまっている。

僕は、その事を聞くたびに暑い夏の海を思い出す。
時折、あの味を思い出す事がある。


浜茶屋のラーメンは格別である。




女の子が欲しかった母は毛糸で編んだワンピースの水着を着せてくれていた。
左から兄、僕、工場長の息子、オヤジの同僚、後ろの麦わら帽子が母。



何が楽しいのかねえ。



僕より年下のオヤジ(多分36歳くらいかなあ)が僕を埋めている。


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