バイオリンを始めたきっかけ
島村楽器のお題「楽器に関する思い出」
1996年5月の事だった。
36歳になった頃で東京での生活を諦めて、新潟の鉄工所で働いていた。
いつか子供が生まれて、音楽を人生の友とさせたいと思い、恋人もいないのに楽器を習おうと思った。
ピアノはきっと買えないし、ギターは多くの人がやっているしと考え、バイオリンを習おうと決めた。
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人のつてで新潟市内の先生が、週に一回新発田まで来て教えていることを知り電話した。
出来るか出来ないか分らないので少し見学というか楽器に触らせってもらいたいと話した。
全く買おうなどとは思ってもいなかったし、まずは触ってみたかったのである。
先生は快諾してくれてお会いした。
行ってみると僕のバイオリンが用意されていて、ローンの契約書があって、ビックリ。
何とも訳が分らないままに13万円もするバイオリンを買う事になった。
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それからが大変である。
まず、僕は小さい頃左の手首を捻挫したことが有って、上手く回らないのだ。
ネックをつかんでいるといたくて手が痺れて来る。
これは参ってしまうのだった。
もっと大変なのは譜面の意味が分らないのだ。
当たり前の事だけど譜面という紙に書かれた設計図を理解出来なければ音楽はできない。
音を感じ取って弾くと言うメソッドもあるが、それを知るのはもっと後の事である。
最初の数回を習って止めたいなあと思いながら習っていた。
手首が痛くて辛かったのだけれども止めるのもしゃくだから、続けて行くうちに弾ける様になって来た。
楽譜を見て口ずさめる様になるのに随分時間がかかったけど、嬉しかった。
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その年のうちに、お見合いをして、結婚する事になり、娘が生まれたその子も中学生である。
小学校の頃、彼女の笛にあわせてバイオリンを弾いた時は楽しかった。
最初の先生の次に地元の先生に習うことにして、奥さんと一回交代に習い始めた。
仕事のお客さんがバイオリンの達人(スズキ•メソードで習った方だった)で、その人からバイオリンを一本お借りした(催促無しで貸して頂けた)。
沢山の人(全く世界の違う人で面白かった)と出会うことができた事も幸せである。
数年習っていたのだが、2007年からお休みして、今度は子どもに教える為に水泳を習い始めた。
そして、最近思い出した様にバイオリンを弾き始めたのだ。
今月の初めに事務所を新潟に開いて通勤を始めたのだが、朝15分くらい弾くのが日課である。
もう何年も弾いていなかったのに、覚えている事に感動した。
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始めてバイオリンと出会った時は無理矢理買わされた様な気もしたが、今では感謝している。
きっとああでもしなかったら買わなかったろうから。
次はギターかウクレレを始めたい(笑)。
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最近、娘がバイオリンに興味をもち始めている。
教えられるかなあ。
友人が落ち込んでいたので弾いて聞いてもらった。笑ってもらえた。
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リラックスッして、脱力する、体に無理をさせないと言う点ではバイオリンと水泳は良く似ている。
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辛い事は多く、憂鬱になる事も多いが、上を向いて歩こう。
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