日本沈没 大好き mixiから引っ越し。2006年09月01日 10:40

mixiに書いていたのです。2006年09月01日 10:40
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先日、新しい日本沈没が海に沈まないのだと言う事を聞いてビックリ。
僕は小松左京が大好きで、この日本沈没と言う小説が大好きだっただけに残念だった。

島が沈むと言う事は彼の書きたい事ではなく、沈めてしまう事で日本と言う国がどんな国なのかと言う事を描きたかったのだ。

この小説の中には、官僚とはどんな物なのかとか、死の危機に面した場面でのヒロイズム、学問とは何かと言う事、様々な思索の断片が詰まっている。

僕はこの小説のラストで、少女が八丈島の伝説(丹那婆=たなば)を語る所で涙が止まらない。




故郷を失い、近縁者を失い、全てを失った日本人が力強く生きて行くであろう姿を小松左京は優しく描いている。



小松左京は、昔、『このちっぽけな惑星の薄っぺらな地表の表面、そこに(惑星全体のサイズから見たら)カビよりも僅かな生命があり、その生命の一部が人類なのだ』と言う様な事を書いていた。

そして、そんなちっぽけな生命がどんなに素晴らしい存在で、同時に嫌な事をするのかと言う事も知っている。


久しぶりに小松左京の事を思い出せて嬉しいとともに、映画は止めた方が良いなあと思ったのだ。